テクノロジー&サービス

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エバラ時報 No.182

低比速度多段ポンプ用ディフューザの内部流れ

 エバラ時報 No.182 p.3 能見 基彦 ほか

 羽根付きディフューザを有する戻り流路の内部流れに、四面体非構造格子の自動生成及び解適合格子機能を有する有限要素流れ解析コードを適用し、実験との比較から流れ解析の有効性を検証した。自動格子生成機能により複雑な形状の流路に対しても解析前の格子生成の労力が低減でき、解適合格子により短いCPU時間で流路出口速度や流路の全圧分布が精度良く解析できることが分かった。最高効率点において、ディフューザ入口スロート付近での静圧上昇が著しいこと、ディフューザ部において流れのはく離が生じ、はく離領域が裏側の戻り案内羽根負圧面付近まで存続すること、流路出口においても旋回速度成分が存在することが明らかとなった。

自動車トンネル換気の数値シミュレーション

 エバラ時報 No.182 p.12 賈 明洋 ほか
 自動車トンネル換気の効率化を達成するために、トンネル坑口周辺における排ガスの挙動を解明する必要がある。しかしながら、トンネル壁等の静止境界と車等の移動境界が共存し、車が解析領域を通り抜けるため、一般の解析法では対応できない。これらの問題を解決するために、本研究では、境界シフト法を提案した。この解析法を用いて、開口部を有するトンネルの自然換気の流れ解析を行い、開口部における呼吸現象は、車の誘起渦の成長、減衰の繰り返しによるものと判明した。この解析法を強制換気の流れ解析に適用することにより、効率的な換気法の開発が期待できる。

ポリマー1液調質による濃縮調質型脱水システムの開発

 エバラ時報 No.182 p.18 萩野 隆生 ほか
 下水道汚泥中の有機性成分の増加に伴う重力濃縮汚泥濃度の低下に対応するために、脱水機前の調質槽をポリマー1液調質で濃縮を行うことができる濃縮型増粒槽に変更し、脱水処理性能の改造効果を検討した。実証実験は24時間体制で実際に稼動している汚泥集約処理場において、約1年間行った。実験期間を通して濃縮型造粒槽を使用した場合の汚泥の処理速度は、約200kgDS/mhとなり、通常型の調質槽を使用する場合の約2倍以上に大きくなった。

加圧型内部循環流動床ボイラ(PICFB)の開発

 エバラ時報 No.182 p.25 三好 敬久 ほか
 近年、世界のエネルギー問題が深刻化しつつあるのに伴い、現実的な対応策として石炭をエネルギー源として見直す動きが活発になり、石炭燃焼のクリーン化と高効率発電システムの実用化が求められてきている。そこで、内部循環流動床燃焼技術をベースにした加圧型内部循環流動床試験設備(PICFB)を、当社袖ヶ浦ボイラー試験所内に設置し、各種燃焼試験を行った。本稿では、PICFB及びさらに発展させたA-PICFB(PICFG)について紹介する。

清水用ステンレス製水中モータポンプ

 エバラ時報 No.182 p.34 坂頂 浩美 ほか
 従来の清水用水中ポンプのモータは、生産性重視のキャンド形と、巻線の手巻き作業を要する耐水絶縁形があり、後者は生産性が悪かった。また、深井戸水中モータポンプのモータは、井戸径の制約を受け細長い形状であることから、回転機械としては不利な条件となっている。他方、市場要求の多様化に伴い、赤水の出ない衛生的で耐久性のあるポンプが望まれている。そこで、自動巻線機・YAGレーザ溶接機設備を導入し、清水用水中モータポンプのモデルチェンジを行った。ポイントは、「オールステンレス製」「全出力範囲のキャンドモータ化」である。これにより、モータの長さが短縮され剛性が向上し、生産性向上が実現できた。

直結給水ブースタポンプウォールキャビネット形

 エバラ時報 No.182 p.40 浜田 博和
 今回新たに、直結給水ブースタポンプウォールキャビネット形を開発した。直結給水方式は受水槽が不要なため省スペースで、衛生的である。また、配水管の圧力を利用できるので省エネルギーでもある。本機種の特長は設置スペース、メンテナンススペースを大幅に削減した点である。また屋外設置を標準とし、低騒音化にも力点をおいた。直結給水への取り組みは多くの水道事業体で増えつつある。本機種はいくつかの事業体と日本水道協会の認証を取得している。

吸収冷凍機(RCWシリーズ)

 エバラ時報 No.182 p.45 村田 純
 蒸気を加熱源とする吸収冷凍機の新形機であるRCWシリーズを開発・製品化し、販売を開始した。新形機の特長は、小形化、RCDシリーズとの本体側缶胴の共用化、省エネルギー性、インバータによる溶液循環量制御、高機能なマイコン制御盤、屋外カバー対応などがある。新形機は、従来の16JSEシリーズと比較して、360冷凍トンクラスの機種で、幅8%、高さ19%、長さ17%の小形化を達成した。マイコン制御盤により、表示機能、故障回避機能、通信機能など大幅に機能向上している。

バイオパックコントロールユニット

 エバラ時報 No.182 p.50 伏見 順 ほか
 好気性ろ床法は施設設置面積が小さいこと、また、維持管理が容易であることから小規模下水処理場で採用され始めている。当社で開発を行ってきたバイオパックコントロールユニットは設定、操作、監視の機能を併せ持ち、オペレータが運転状態を把握しやすいGUI(Graphical User Ineterface)の有効性を十分確認できる者である。バイオパックコントロールユニットを採用した好気性ろ床設備は1997年7月運転開始後順調に運転されている。

泥水シールド工事用泥水輸送設備

 エバラ時報 No.182 p.53 渡辺 和久 ほか
 泥水シールド工事用泥水輸送設備は、調整された泥水を切羽に供給する送泥ポンプ、掘削された土砂を泥水と共に地上へ圧送する排泥ポンプ、各種自動弁及びそれらの機器を操作制御、監視する中央制御監視装置で構成される。送・排泥ポンプは耐摩耗性、耐閉塞性に重点を置いた材料、構造のスラリーポンプである。中央制御監視装置では、水理解析シミュレーションで事前に検証された各種運転モードの移行制御が自動的に行われる。

東京湾アクアライン・浮島換気所換気設備

 エバラ時報 No.182 p.58 佐瀬 敏次 ほか
 東京湾横断道路アクアラインは1997年12月に開通した。この横断道路は総延長が約15kmで、そのうち約10kmがトンネルである。これは水底道路トンネルとしては世界最大級の長大トンネルである。トンネル構造は車道と床版下の上下二層に分けられている。車道換気は電気集じん機を組み入れた立抗送排気縦流換気方式、床版下換気は車道内より内圧を高めにして汚染空気が床版下への侵入を防止する圧力制御運転方式である。当社は、口径4000mm立形動翼可変式軸流排風機、極数変換電動機駆動による口径1800mm立形動翼可変式軸流送風機を各2台及び消音装置を含む附帯設備を浮島換気所の換気設備として納入した。

太陽電池式浮体形水質浄化装置(第1報)

 エバラ時報 No.182 p.65 谷内 宏
 太陽電池や風車といった、いわゆるクリーンエネルギーを利用したさまざまな施設が試みられている。今回、NTTとの共同開発により水質浄化機能を備えた太陽光発電電源装置を製作した。マルチメディア時代を迎えて、情報の重要性が高まっており、大震災のような非常時に、情報通信のための電源を確保することは、きわめて重要である。このような電源装置は、流れがなく日照条件のよい濠・湖沼に設置することで、電力を貯蔵するだけでなく、平常時装置が設置されている水域の水質を少しでも浄化することで、複合的なシステムとした。東京都内に2箇所設置したので、その概要を紹介する。

高性能排ガス処理設備付き都市ごみ流動床焼却施設—岐阜市東部クリーンセンター納入

 エバラ時報 No.182 p.69 斎藤 潔 ほか
 岐阜市東部クリーンセンター向に、蒸気タービン発電機付都市ごみ流動床焼却施設を納入した。本施設では特にダイオキシン類基準値を、十分達成できる信頼性の高い処理システムが求められ、ダイオキシン類分解性能を向上させた、低温活性型の新触媒を使用した触媒充填塔と活性炭吹込装置の併用システムを設置した。実運転においては活性炭吹込みを少供給量とした組み合わせで運転し、ダイオキシン類排出濃度0.1ng-TEQ/m3Nを全て下回った。焼却によって発生した排ガス廃熱から蒸気として回収されるエネルギは、抽気式復水タービンに給気して最大7000kWの発電に活用され、余剰電力を中部電力へ売却している。

流動床式ごみ焼却施設及びリサイクルプラザ—湖西市環境センター

 エバラ時報 No.182 p.73 浅生 重捷 ほか
 湖西市環境センターは、処理能力日量60トン2系列の流動床式ごみ焼却施設と30トンのリサイクルプラザを一体で整備した、ごみ処理施設である。ごみ焼却施設は、ハード・ソフト両面に最新の技術を取り込んだ最新の施設である。とりわけ、近年、社会問題化しているダイオキシン対策として、国内初の活性炭吸着塔方式を導入している。リサイクルプラザは、併用施設、再生施設、不燃物処理・資源化施設から構成され、ごみの減量化・資源化・再生利用を図っている。また、容器包装リサイクル法に対応して、ストックヤードを設け、鉄缶・アルミ缶・ペットボトルの圧縮成型品の貯留が行われている。

都市ごみ流動床焼却施設—倉敷西部清掃施設組合納入

 エバラ時報 No.182 p.79 鈴木 浩之 ほか
 倉敷市、金光町、船穂町の1市2町から構成される倉敷西部清掃施設組合に、流動床式都市ごみ焼却施設を納入した。本焼却施設は、流動床焼却炉の特長を生かし、山陽本線と県道に挟まれた非常に狭い三角形の敷地に効率よく配置されている処理能力は、1日16時間当たり60トン処理できる准連続式焼却炉が2基で構成されている。本施設は、ダイオキシン対策を含む高性能排ガス処理設備を有し、また雨水を場内用水に再利用するなど、最近の環境問題に配慮する設備を有している。

バッチ式流動床式焼却施設—宇土・富合清掃センター組合ごみ処理施設納入

 エバラ時報 No.182 p.83 甲斐 正之 ほか
 宇土市、富合町の1市1町から構成する宇土・富合清掃センター組合に、流動床式都市ごみ焼却施設を納入した。本設備は機械式バッチ焼却炉を採用し、1日8時間当たり26トンの処理能力を持つ焼却炉が2基で構成されている。本焼却施設は、流動床式焼却炉建替え1号機であり、当社の技術力が評価された施設である。また、主要機器を内製化することにより技術力の向上及びコア技術の確立に寄与した施設である。

ストーカ式都市ごみ焼却施設—指宿市清掃センター

 エバラ時報 No.182 p.87 三好 慶 ほか
 鹿児島県指宿市に機械化バッチ燃焼式ストーカ炉(1炉;30t/8h)を建設した。8時間運転炉では当社で初めてファジーコントローラと画像処理装置を用いたACC(自動燃焼制御)と自動立上下システムを採用している。排ガス処理フローは、水噴霧式ガス冷却室+燃焼用空気予熱器+乾式有害ガス処理装置+バグフィルタ(入口ガス温度;200℃)という比較的シンプルな構成であるが、ダイオキシン類の測定値は0.067~0.15ng-TEQ/m3Nと、保証値の5ng-TEQ/m3Nを大きく下回る結果となった。ダイオキシン類の発生を防ぐためには炉内でごみを完全燃焼させることが何よりも重要であることがわかる。

多品種廃棄物混焼設備

 エバラ時報 No.182 p.91 岡本 晃靖 ほか
 中央企業(株)に、種々の持込み産業廃棄物を焼却処理する多品種廃棄物混焼設備を納入した。本設備は、焼却炉にTIF旋回流型流動床焼却炉を採用、流動層内をよく撹拌して、燃焼温度を均一安定に保ち、廃棄物の発熱量の変動に対処している。また、焼却炉とガス冷却室を隣接して一体化し、集じんにはバグフィルタを採用した。これにより発熱量の高い樹脂類などの廃棄物と汚泥・廃液類を単一の炉でバランス良く混焼することで、助燃料を使用することなく安定燃焼することを可能とし、1995年11月の竣工以来の稼動によりそれを実証した。

流体音工学セミナー「第2回 渦による卓越音」

 エバラ時報 No.182 p.95 丸田 芳幸
 流体の非定常現象に伴って発生する音を制御したり、利用するための技術を解説する連載講座の第2回目である。円柱や角柱を横切る流れから発生するエオルス音の特性と、その制御要因が渦度と相関スケールであることを説明する。相関スケールを小さくするためには、表面粗さ・傾斜・交差柱の追加が有効である。円柱が二本近接していると渦流れの干渉音が発生し、間隔を広げるか、一方を傾斜させることが制御に有効である。管群における渦流れの干渉音は複数の卓越音成分を有し、気柱共鳴状態に陥りやすい。共鳴条件を避けられない場合には特殊配置の渦放出抑制板の利用が制御に有効である。