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エバラ時報 No.185

混相流動解析による排気ダクト付着防止策の検討

 エバラ時報 No.185 p.3 王 新明 ほか
 3次元混相流動の数値シミュレーションを行い、溶融塩の相変化に起因した排気ダクト内壁への付着防止策を検討した。解析対象は溶融塩蒸気及びそのミストを含む排ガスとした。空気の供給によってダクト内壁に保護膜を形成する場合の最適な条件を探るために、ダクト内の流速分布、溶融塩蒸気の濃度分布及びミストの挙動を解明した。その結果、旋回成分を伴わない保護空気を供給する方法は、ダクトへの付着防止に最も有効であることが分かった。また、供給空気量と排ガス量の割合については、保護層を形成するのに最適な流量比範囲が存在することが明らかになった。更に、供給口のスリット幅を可能な範囲で大きく設けるべきことが分かった。

メビウスプロセス実証試験装置による有機性廃棄物のメタン発酵処理

 エバラ時報 No.185 p.11 米山 豊 ほか
 し尿系汚泥と生ごみの固形物比を1:1(RUN-1)、1:2.5(RUN-2)、1:5(RUN-3)としたメタン発酵試験を行った。(メタン発酵槽の温度:55℃、メタン発酵槽の滞留日数:16日)RUN-1~RUN-3におけるCODcr分解率は56.0~64.8%であり、生ごみの混合比率が高いほど高くなった。生ごみ、浄化槽汚泥及び余剰汚泥の各々のCODcr分解率は、70%、35%、30%程度であった。エネルギー回収試算の結果、汚泥と生ごみの混合あるいは汚泥だけでも、メタン発酵設備の加温エネルギーを賄うことが確認できた。

イオントラップ-MS/MS装置を用いたダイオキシン類の迅速モニタリング法

 エバラ時報 No.185 p.21 剱持 由起夫 ほか
 飛灰中に含まれるダイオキシン類を対象とした迅速モニタリング法を開発した。この分析法は、(a)高温高圧溶媒法による抽出、(b)充填済シリカゲルカラムを用いた精製、及び(c)イオントラップ-GC/MS/MSによる定量の3ステップからなる。風乾・粉砕された飛灰を分析にかけてから、6時間でTEQ総量を求めることができた。13Cラベル化した内部標準物質を用いて、分析法の制度管理を行った。同モニタリング法を実試料に適用し、高分解能質量分析計を用いた従来法によるTEQ総量と比較した結果、良い相関性が得られた。定量下限値は、TEQ総量で10pg/g程度であった。

水冷式ポンプ省エネコントローラ

 エバラ時報 No.185 p.27 三宅 良男 ほか
 小・中形のポンプは、1台あたりの消費エネルギーが他の機器に比べて小さいため、省エネルギー対策において見過ごされがちな存在であるが、使用台数が極めて多く、事業所全体に占める消費エネルギー比率は意外に大きい。圧倒的多数を占めるポンプすなわち「ポンプ群」の省エネルギーには従来と異なる省エネルギー手段が必要である。本コントローラは、インバータ実装ポンプと同様、この「ポンプ群」を対象とした省エネルギー機器であり、既設ポンプの配管に簡単に取り付けて省エネルギー化を図ることができる。ポンプ自体が耐用年数に達していない場合等に、インバータ実装ポンプ導入に替わる新たな省エネルギー手段として有効に活用できる。

内融式氷蓄熱槽の熱交換促進手法

 エバラ時報 No.185 p.33 吉田 可紀 ほか
 内融式氷蓄熱方式は、他の外融式やダイナミック式などの氷蓄熱方式に比べIPF(氷充填率)が高く、シンプルなシステム構成により搬送動力が低く押さえられ、運用上の使い勝手も良いなどの長所がある反面、短時間で解氷するような運用には不向きとされてきた。そこで本研究では、内融式氷蓄熱を用いて放熱運転時の熱交換を促進させる手段として、空気を槽内に注入して氷の周囲の保有を撹拌させる方法について実験を行い、放熱特性を従来より大幅に改善することができた。

小型浄水機向け遠隔管理システム(リモートメンテナンスシステムEMTC-800シリーズ)

 エバラ時報 No.185 p.41 開発啓全 ほか
 多くの小規模上水道施設は、水源を得るため広域に点在している。この小規模上水道施設を集中管理することは、従来のtelemeter方式では非常に高価となる。このため多くの施設では、コスト面でこの管理方式の実現が難しい。集中管理方式はパーソナルコンピュータの低コスト、高信頼性とネットワーク通信方式の高品質化、低価格化により新しい遠隔監視方式の開発を可能とした。ローカルに設置される端末装置は、浄水施設専用のデータ収集装置として高機能のマイクロコンピュータにより作られている。中央に設置される集中監視装置は、パーソナルコンピュータによりシステムが構築されている。パーソナルコンピュータによるネットワーク通信と、データベースにより全自動でデータ収集が行われる。また集中管理システムは、自動非常通報システム、及び高度なデータ利用を具備している。

流体音工学セミナー「第5回 流れと音のハーモニー」

 エバラ時報 No.185 p.45 丸田 芳幸
 流体の非定常現象に伴って発生する音を制御したり、利用するための技術を解説する連載講座の第5回目(最終回)である。流体音の予測解析のために、低騒音風洞による実験の要点と数値流体音響による予測手法の動向を紹介する。流体音の低減に関して共通する制御手法をまとめると、音の伝搬経路では通常の音響工学的制御が有効であり、音源を直接制御するためには流れの制御が不可欠である。流速の低速化、流れの乱れの低減だけではなく、流れの相関の制御や共鳴条件の制御も必要である。また音波によって非定常流れを制御する事例を紹介して、流れと音のハーモニーをとることが流体音の制御になることを示し、快適な音環境の創出に寄与することを示す。