テクノロジー&サービス

最先端テクノロジー&サービス

エバラ時報 No.188

FCC動力回収タービンにおける高温硫化腐食挙動の解明

 エバラ時報 No.188 p.3 八鍬 浩 ほか
 FCC動力回収タービン(ガスエキスパンダ)のロータ材として用いられるNi基超合金(AISI685、通常Waspaloyと称される)の硫化挙動を673~873KのN2-H2-H2S雰囲気中、応力負荷及び無負荷条件下で研究した。AISI685は、873Kの応力負荷条件下において、合金結晶粒界に沿って合金内部へ侵食する粒界硫化腐食を発生した。この粒界侵食深さの時間依存性はほぼ放物線則に従った。また、773K以下では、588MPaまでの応力負荷条件下で345.6ks硫化させても、顕著な粒界侵食は見られなかった。

家畜糞尿のメタン発酵処理システムの実証試験

 エバラ時報 No.188 p.9 片岡 直明 ほか
 家畜糞尿廃棄物からメタンガスエネルギーとコンポスト資源を回収するメタン発酵処理システムの実証試験(計画処理水量0.5m3-糞尿/日、肉豚約80頭規模)を行った。豚糞尿混合液(TS9.0%)を無薬注でスクリュープレス処理し、搾汁液(TS5.5%、CODCr9.0%、BOD3.0%)と搾汁粕(含水率57%、比重0.33)に分けた。搾汁液は中温(35℃)、HRT15.4日でメタン発酵処理し、消化ガス20~28m3/m3-糞尿(NTP)(メタンガス含有率66~69%)が得られた。メタン発酵液はオキシデーションディッチ処理し、水温20℃以上では処理水BOD40~80mg/l、SS30~70mg/l、に浄化でき、窒素除去率は60~70%であった。糞尿搾汁粕と脱水汚泥は混合して水分調整材なしでコンポスト化することができ、糞尿1m3に対してコンポスト100kg(水分量40kg、強熱減量45kg)が得られた。

CALS IETMシステム実証研究 —ネットビジネスへの展望—

 エバラ時報 No.188 p.21 原 俊雄 ほか
 CALS IETMシステムは、CALS/ECにおける「製品ライフサイクルの全行程を通じて、作成、使用されるエンジニアリングドキュメントを、ライフサイクルステージの特性に応じて企業間を横断する水平形、企業内の部門間を縦断する垂直形の両方向で、電子的かつ対話的に作成、共有、再利用するシステム」であると定義づける。本稿では、産業機械・プラントエンジニアリング業界を対象とし、そのライフサイクルにわたって時代の推移とともに増え続けるエンジニアリングドキュメントの「量の圧縮」、「コストの削減」、「作成、共有及び再利用時間の短縮」を狙ったCALS IETMシステムの開発とその実証研究成果について概説する。併せて、産業機械及び各種プラント業界におけるエンジニアリングドキュメンテーション支援をサービス対象とするネットビジネスの展望についても記述する。なお、本システムの開発、実証実験は、日本ギア工業、日本ユニシスとのコンソーシアムを編成し、平成10年度通産省補正予算事業の一環として実施した。

ポンプ運転制御・水理解析シミュレータ

 エバラ時報 No.188 p.28 高野 弘成 ほか
 ポンプやバルブ、ゲートなどがある水理システムの過渡現象解析を容易に行うために、開閉水路複合系シミュレーション(FLEIA)を用いたポンプ運転制御・水理解析シミュレータを開発した。本シミュレータの特長は、1.計算モデルの作成やモデル・データの追加・変更・削除が容易、2.計算時間間隔に依存しない解法(陰解法)の採用、3.ドライ状態から開閉複合水路の計算が可能、4.機器の動きと水の流れの相関を視覚的に表す出力、などがある。本シミュレータを排水ポンプ場施設の計画・設計および運用計画に使用することで、より優れた提案が可能となる。

キャンドモータポンプ用軸受摩耗検知器の開発

 エバラ時報 No.188 p.34 外山 幸雄 ほか
 キャンドモータポンプには、取扱液が外部に漏れないという最大の特長に加え、保守点検が簡単であるという利点がある。そのため、キャンドモータポンプは徐々にポンプ市場において認知され、比較的堅調に伸びている。キャンドモータポンプの開発において、技術的に最も困難な課題の一つは、いかに信頼性の高い軸受摩耗検知器を低コストで製品化できるかである。高信頼性、低コスト、再利用が可能な軸受摩耗検知器を開発し、SXH型キャンドモータポンプに採用して、発売を開始した。その軸受摩耗検知器の概要を紹介する。

ハイスループット形クリーンCMP装置

 エバラ時報 No.188 p.40 小林 文夫 ほか
 半導体の微細化、高集積化に伴い、配線パターンを形成するリソグラフィーにはますます高い解像度が求められ、光源の短波長化が進んでいる。それに伴うリソグラフィープロセスの焦点深度の低下を補うにはCMP技術によるデバイスの平坦化プロセスが必須である。当社は今まで多くのユーザにCMP装置を提供してきた。本稿では、スループットの大幅向上に加え、多様なCMPプロセスに対応可能なハイスループット形クリーンCMP装置「F☆REX200」を紹介する。

大規模雨水専用ポンプ場 —大阪市住之江抽水所—

 エバラ時報 No.188 p.46 浅水 高広
 住之江抽水所は、大阪市東南部地域の抜本的な浸水対策として建設された「なにわ大放水路」(平野~住之江下水道幹線)で集水した雨水を、住吉川に排除する雨水専用のポンプ場である。この抽水所は、形状が円形をなし従来の方形と異なることが特徴の一つである。ポンプは、地下30mの大深度に設置されており下水用ポンプとしては国内最大級の規模である。

外郭放水路排水機場(第2報) —ポンプケーシングの配筋設計—

 エバラ時報 No.188 p.51 石田 道子 ほか
 外郭放水路排水機場は国内最大規模の排水機場である。本機場のポンプのような大容量、高揚程のポンプケーシングは、複雑で3次元的な形状及び荷重分布に対応した信頼性の高い構造設計を行う必要がある。そこで、有限要素法構造解析の形状データと結果を入力として、限界状態設計法に基づき、ケーシング各部位の必要鉄筋量の算出とコンクリート応力の検証を行う、配筋設計プログラムを開発した。外郭放水路排水機場ポンプケーシングに本プログラムを適用して最適な配筋設計を行うことにより、信頼性、安全性の向上を図った。

多目的大形ポンプ設備建設省関東地方建設局北千葉導水事業関連施設(第1報)

 エバラ時報 No.188 p.56 瀬藤 利伸 ほか
 千葉県北部に位置する手賀沼の水質が、周辺の都市化に伴い急激に悪化している。都市用水の不足も慢性化している。これらを解決する目的で、北千葉導水事業が計画された。26年の工事期間を経てこのたび通水式を終了した。当社は北千葉第一機場及び北千葉第二機場のポンプ設備を設計・製作・据付工事を行った。本報では、機械設備の揚水機能で特徴的な問題点、第一機場・第二機場の連係運転、流量制御、水撃対策について報告する。開水路における水位上昇速度をダム放流基準以下に保つ流量制御、送水量によって実揚程が変化する運転条件、約2000m2のワンウエイサージタンクによる水撃対策、吐出し水位よりワンウエイサージタンク設定水位が高い運転条件などの対処例を紹介する。

宮崎県総合農業試験場畑作園芸支場 —畑地かんがい制御システム—

 エバラ時報 No.188 p.61 小口 孝文
 本システムはポンプ設備、分水弁設備の他、計装機器、動力・制御盤、配電盤及び全設備を一元管理する中央管理システムで構成される。中央管理システムは管理棟内に設置され、ユーザは本システムのCRTディスプレイ上で全設備の集中監視操作が行える。本システムの特長は、あらかじめ給水スケジュール(給水量、給水開始時刻など)を入力しておくと、そのスケジュールどおりにポンプやバルブを自動制御するもので、かん(潅)水試験の省力化を実現している。また、給水スケジュールや研究ほ(圃)場運用情報などはデータベースとしてシステム内に保存・蓄積されるので試験結果の分析に活用が可能であり、試験データ管理の合理化を実現している。

冷凍機を用いた温度一定制御試験ほ(圃)場施設 —秋田県農業試験場納入—

 エバラ時報 No.188 p.67 佐藤 暢芳 ほか
 秋田県農業試験場に、日本で初の冷凍機を用いた温度一定制御試験ほ場施設を建設し2000年5月に完成した。本施設は、試験ほ場の稲に強制的に冷害を発生させ、冷害に強い新品種の開発、改良が目的である。今後、本施設により21世紀の秋田県農業の発展はもとより、冷害対策に直面している東北地方の農業の振興に貢献できることを期待している。