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エバラ時報 No.189

磁気軸受搭載シール流体反力測定装置の開発

 エバラ時報 No.189 p.3 江口 真人 ほか
 回転方向を除く5軸を制御する磁気軸受を搭載したシール流体反力測定装置を開発した。本装置は、磁気軸受を軸受、加振機そして、力検出器として利用していることにより装置をコンパクト化できたことが特長である。また、磁気軸受の利点から、回転軸系に作用するシール液膜の弾性力や減衰力などを非接触な状態下で計測することができる。そして、この装置は、高速・高圧運転での計測を可能とする設計仕様になっている。ここでは、測定装置の概要と、その実証試験結果の一部を紹介し、テストピースの計測を通じ、その信頼性が検証できたことを報告する。

超臨界水酸化分解実証設備

 エバラ時報 No.189 p.13 臼井 高史 ほか
 連続式の超臨界水酸化実証実験設備を建設し、イソプロピルアルコール(IPA)を燃料として燃焼実験を行った。その結果、1)反応器内圧力26MPa、温度320℃としてIPAを投入すると速やかに温度上昇を開始し定常に至る。2)反応器内温度はIPA量の調節で容易に制御でき、500℃以上に保つことでCO濃度5ppm以下、NOx発生のないクリーンな燃焼を達成できることを確認した。焼却飛灰のスラリを超臨界条件下で処理する実験では、有害有機塩素化合物に関して高い分解率を確認した。飛灰由来のカルシウム系化合物の付着が問題となったが、供給ラインを水冷することで解決した。この改造で低下した処理量の回復を目的に、過熱水蒸気による活性炭-飛灰同時処理法を提案し良好な結果を得た。

ゴム型を利用した精密鋳造用消失模型

 エバラ時報 No.189 p.22 坂本 勝彦 ほか
 当社では、ハイドロ専門工場の構想に基づき、3次元高速積層造形技術を利用してポンプハイドロ部品形状を3次元CADデータより直接造形し、これを精密鋳造品の消失模型として利用してきた。さらなる工期短縮、多品種少量生産への対応を目的として、ラピッドプロトタイピング模型を簡易ゴム型に転写してネガ型を製作し、大型の精密鋳造用消失模型の製造手法を確立した。また、応用例としてセラミック鋳型を本ゴム型で試作した。この製造法は、ゴムを変形させてワックスを抜型することができ、複雑な分割が不要であること、金型の設計能力を必要としないこと、ゴム型の組立てが容易であることなどの特長がある。

キャビテーションジェット複合ペンシルスクラブ洗浄方法の開発

 エバラ時報 No.189 p.26 伊藤 賢也 ほか
 半導体製造工程でのCMPプロセスの重要度が増しつつあるなか、CMPの後洗浄技術の新たな要求に応えるため新技術を紹介する。エバラ独自の高圧クリーンポンプ(PJポンプ)を利用しウエハ上でキャビティを効率良く発生させ、凹部の微細なパーティクルを除去することが可能となった。ノンケミカルで純水使用量を最小限とした低コストで高性能な洗浄を実現している。

押分排水機場

 エバラ時報 No.189 p.31 今村 衆 ほか
 1999年度に竣工を迎えた、建設省東北地方建設局へ納入した押分排水機場の特徴を紹介する。押分排水機場は、宮城県岩沼市に建設された東北地方最大の内水排除用機場である。本機場は、「建設コストの縮減」と「簡素化による設備信頼性の向上」の技術として、主ポンプの高流速・小形化による機場のコンパクト化や、駆動機にガスタービンエンジンを採用することで機場の完全無水化による設備の簡素化が図られている。また、東北地方建設局施工の光ファイバ通信網整備事業に対応した「遠方監視操作設備」が採用されていることが特長である。

ダム湖未利用エネルギー活用設備 —エバラ水力コンプレッサユニット—

 エバラ時報 No.189 p.36 永野 有太 ほか
 「エバラ水力コンプレッサユニット」は、中小規模ダムの維持管理用放流水が持つ水力エネルギーから、水力発電によらず、直接圧縮空気を製造し、ダム湖のばっ気・噴水設備等に活用することを目的として開発された設備である。ダムの放流水を動力として有効利用するため、クリーンエネルギーで、かつ運転動力費は不要となる。ダムの維持管理費低減が期待できる「エバラ水力コンプレッサユニット」とその採用事例を紹介する。

都市ごみ焼却施設の光計装システム —伊勢崎市清掃リサイクルセンター21—

 エバラ時報 No.189 p.41 黒澤 和重 ほか
 今日、IT技術の急速な発達により、ネットワーク、オープン化の時代にある。都市ごみ焼却施設においても各種さまざまな新しい技術が導入されている。光計装システムはその一つで、ノイズ・雷などへの対応、制御配線工事費の削減、安全性・信頼性の向上が特長になっている。上位システムとはシリアル伝送でデータが伝送され、自己診断機能も搭載されている。本稿では、光計装システムを群馬県伊勢崎市清掃リサイクルセンター21向けに納入したので、ここで紹介する。

都市ごみストーカ式焼却施設 —稲沢市外二町衛生組合納入—

 エバラ時報 No.189 p.45 小林 英二 ほか
 稲沢市、祖父江町、平和町の一市二町で構成される稲沢市外二町衛生組合に、蒸気タービン発電機付ストーカ式都市ごみ焼却施設を納入した。本施設は、処理能力1日24時間当たり60トンの焼却炉が3基と、1日当たり50トンの粗大ごみ破砕処理施設から成っている。本施設ではダイオキシン対策として、排ガス中への活性炭噴霧と低温バグフィルタを使用し、ダイオキシン類排出濃度0.1ng-TEQ/m3(NTP)を十分に下回った。また、1日1炉当たり60トン処理規模の焼却炉であるが余熱を有効利用するため、発電設備を設け余剰電力も得ている。

ペーパスラッジ焼却発電設備 —大昭和製紙(株)本社工場富士納入ICFB—

 エバラ時報 No.189 p.50 塚本 圭祐 ほか
 大昭和製紙株式会社/本社工場富士向けに、工場から排出されるペーパスラッジ(PS)をカットタイヤ及び石炭を助燃料として燃焼し、発電する設備を納入した。本設備はPSの焼却炉としては国内で過去最大規模であり、また当社としても炉床面積が最大の流動床炉である。水分が多く発熱量が低いPSと発熱量の高いカットタイヤ及び石炭を混焼し、高温高圧の蒸気を安定して回収するために、当社独自の内部循環流動床ボイラ(ICFB)を採用した。その結果、排ガス性状に関してはいずれも公害防止基準を十分に下回る良好なデータが得られ、ダイオキシン類に関しては特に良好な結果が得られた。また、発電に関するデータも安定した結果が得られており、発生蒸気を全量発電に使用する廃棄物発電プラントとしては非常に良好な結果であった。