テクノロジー&サービス

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エバラ時報 No.190

有限要素法による振動解析におけるボルト結合部のモデル化

 エバラ時報 No.190 p.3 郭 士傑 ほか
 本研究は機械構造物の振動解析におけるボルト結合部のモデル化手法について考察したものである。微小振動の場合、振動してもフランジ面における接触領域が変化しないとして、接触領域では両フランジを一体とし、それ以外の領域では互いに独立とするモデル化手法を提案し、その有効性を実験と比較することにより示した。更に、モデル化の指針を得るために、接触面積に対するボルトの本数、フランジの厚さ及び締付面積の影響を解析的に調べた。結果として、ボルトの本数が変わっても、1本のボルトまわりの接触面積はあまり変わらないことと、接触面積はフランジが厚くなるにつれて急速に拡大することを指摘した。

遠心羽根なしディフューザにおける旋回失速抑制法

 エバラ時報 No.190 p.10 渡辺 啓悦 ほか
 遠心圧縮機の羽根なしディフューザ部に旋回失速が発生すると、圧縮機の性能低下だけでなく、軸振動の増大などにより更に低流量での運転が不可能となることが知られている。羽根なしディフューザの旋回失速の発生はディフューザ内に発達する環状逆流領域の周期的揺動が増大することがトリガとなっている。本研究では、旋回失速発生につながる環状逆流領域の周期的揺動を抑制することを狙いとして、ディフューザハブ壁面に1枚の平板を設置する手法について、その効果を実験的に検討した。

水—アンモニア混合媒体の凝縮伝熱・沸騰伝熱

 エバラ時報 No.190 p.16 古谷 泰 ほか
 排ガスなどの低エクセルギー流体から熱回収効率の高い発電プラントを構築できるカリーナサイクルには水—アンモニア混合媒体が使われる。この媒体は熱機関として有利な熱物性をもっているが、一方相変化を伴う熱交換器の性能が悪くなるという欠点がある。したがって熱回収効率の向上には熱交換器の設計、形式の選択に重要な信頼性の高い凝縮・沸騰熱伝達率の相関式が必要になる。フォーリングフィルム形の凝縮熱伝達率は単純な一次元モデルで予測できることを示した。また沸騰熱伝達率に関しては、低熱流速域に限定されるが、プール沸騰と強制対流の熱伝達率を指数平均化する相関式が実験結果と良く合うことを示した。

飛灰混合溶融におけるスラグ中の鉛含有量低減挙動

 エバラ時報 No.190 p.25 菊池 猛 ほか
 空気プラズマ式灰溶融実機で、都市ごみ焼却灰と固化した飛灰とを飛灰混合率14~20%、炉内温度1400~1500℃で溶融したときのスラグ中の鉛濃度を調査した。鉛は、従来同様の条件で実施した粉状飛灰との混合溶融では困難であった50mg/kg程度に低減した。この効果を確認するため、るつぼを使用し粉砕した焼却灰に粉状飛灰を混合率25%で混合後1400~1500℃、15~60分の範囲で室内溶融試験を行った。スラグ中の鉛濃度は15分の加熱で原料の1/10に減少し、100mg/kg未満に低減することを確認した。実機では飛灰固化により焼却灰との混合が良好となり、鉛濃度が低減したと考えられた。

新製品構成管理システムの構築

 エバラ時報 No.190 p.33 江崎 和博 ほか
 製品構成管理システム(PDM:Product data management system)を構築し、運用を開始した。PDMは製品の受注・開発・設計・製造・現地保守サービス、すなわち製品のライフサイクル全体にわたる製品1台ごとの部品構成情報をグローバルに一元管理することによる大幅な業務効率化とアフターサービスの強化をねらったものである。このシステム導入の過程でPN(製品識別コード)やPS(製品構成)の標準化、設計・生産手順の見直しなど、当初目標としていた業務処理手順の大幅な簡素化(BPR:Business process re-engineering)を行った。

ネットワーク型広域監視・制御統合システム

 エバラ時報 No.190 p.38 高橋 欣士
 近年の情報インフラの普及拡大にあわせ、建設省の河川管理分野においても光ファイバ網の整備が進められ、排水機場を含む施設のネットワーク化が図られている。また、こうしたネットワーク化により、排水機場を対象とした管理も広域化が進むとともに、施設の段階的整備に対応可能な管理システムが求められてきている。このような状況において当社では、画像、音声を含むマルチメディア機能のヒューマンインタフェースへの統合、Web化など、既存の管理システムの概念を超えた新たな管理システムを開発したので、ここに報告する。

大樹町上水道管理システム

 エバラ時報 No.190 p.44 望月 明 ほか
 大樹町上水道管理システムは、取水場、浄水場、配水池、量水器室などの水道施設全般を集中監視制御するシステムで、浄水場においてデータをすべて集約し、一元管理が可能となっている。監視操作に必要なヒューマンインタフェース装置はミニグラフィック操作卓とCRT監視操作卓とに二重化したことにより信頼性の向上を図った。データ収集処理用コンピュータ及びCRTグラフィック用コンピュータは信頼性が高く、また、データ処理能力の大きなワークステーションを採用した。

排水機場運用管理CALSシステム

 エバラ時報 No.190 p.51 平子 雄一郎 ほか
 排水機場運用管理CALSは、建設CALSで掲げる、河川管理施設のライフサイクル(計画~設計~製造~運用~保守)における情報の電子化、共有化のテーマの中で、主に運用管理と維持管理に中心をおいて、建設省中部地方建設局と、(社)河川ポンプ施設技術協会を中心に検討を進めてきた。その検討結果を基に、本システムは、最新のイントラネット技術やマルチメディア伝送技術を利用して、維持管理会社などとの情報の共有化を図ることで、河川管理施設の維持管理や緊急対応機能の向上を目指している。

新潟県六日町五城地区水管理制御システム

 エバラ時報 No.190 p.58 望月 明 ほか
 三国川頭首工、宇田沢川頭首工、五十沢川頭首工の3頭首工からの河川取水によって用水供給を行っている六日町五城地区では、適切な水配分、操作員不足の解消が大きなテーマとして挙がっていた。また、三国川用水路途中には水力発電所が建設されたことによって、的確かつ合理的な水管理設備が必要となってきた。このような背景のなか、今回各施設の遠方監視制御及びゲートや除塵機設備の自動制御を主体とした五城地区水管理制御システムを納入したので、ここに紹介する。

天童地区水管理システム

 エバラ時報 No.190 p.66 小口 孝文
 天童地区のかんがい地域は、山形県天童市市街地の西方に展開する水田で、一部東部の水田も含む約1127haの地域である。主な取水源は最上川であり、最上川からの取水を標高差42mまで3箇所の揚水機場により多段揚水して需要家に給水している。揚水施設は上記のほか、揚水機場1箇所、ゲート設備3箇所である。本システムは上記揚水施設などを集中一元管理するものである。また、機場運用において多段揚水特有の水理的課題があったため、各施設の機械的特性・性能、制御方法を把握した上で水理的特性を十分検討し、連携制御などの最適な制御手法を構築した。これにより、運用管理の省力化、安全性の向上を実現することができた。

多目的大形ポンプ設備 建設省関東地方建設局北千葉導水事業関連施設(第2報)

 エバラ時報 No.190 p.71 瀬藤 利伸 ほか
 多目的(治水、利水、環境用水)事業として、北千葉導水事業は運用を開始し、現在順調に稼働している。第1報では機械設備・水理関係を中心に報告したので、第2報では動力設備・運転制御及び維持管理用装置を中心に特徴的な事項について報告する。4000kW電動機×4台(第一機場)及び2400kW×3台+1200kW×2台(第二機場)の動力電源の危険分散、無段階流量制御のための静止セルビウス装置、第一機場・第二機場及び導水路諸施設の連携制御を行うための総合用計算機、監視操作用HMI、広域管理を含めた施設情報管理装置について紹介する。また、約1年間に及ぶ総合試運転についても概要を紹介する。

ストーカ式水噴霧ガス冷却ごみ焼却炉の自動燃焼装置
—宇摩地区広域市町村圏組合宇摩クリーンセンター納入—

 エバラ時報 No.190 p.84 井上 毅成 ほか
 都市ごみ焼却では、ダイオキシン類及び有害物質の発生を抑制するため、完全燃焼と安定した燃焼状態を維持することが必要である。また、運転員にとって常に炉内の状況や複数の項目を監視し、複数の設定変更を行うことは大変な労力を伴うが、これらの問題を解決するために、自動燃焼制御装置(ACC)を導入している。本報では、ファジィコントローラを用いた宇摩地区広域市町村圏組合向け「宇摩クリーンセンターごみ焼却施設」納入の自動燃焼制御装置について記す。

TIF型流動床式焼却施設及びリサイクルプラザ —伊勢崎市清掃リサイクルセンター21納入—

 エバラ時報 No.190 p.90 石川 清貴 ほか
 群馬県伊勢崎市向けに、70t/日・炉×3系列の都市ごみ流動床式焼却炉とリサイクルプラザを併設した、伊勢崎市清掃リサイクルセンター21を納入した。焼却施設は、公害防止基準の新ガイドラインに適応した施設であり、ダイオキシン対策には微粉活性炭の吹込み及び触媒を用いることで、0.1ngTEQ/m3(NTP)以下に十分対応している。焼却熱は廃熱ボイラにより蒸気として回収され、プラント所要蒸気、場内給湯、場外余熱利用施設への熱供給に利用されるほか、復水タービンによる最大1980kWの発電を行い、場内負荷電力への供給、余剰電力の売却を行っている。リサイクルプラザは、不燃ごみ・粗大ごみ処理、資源回収施設、市民参加型の再生工房を持ち、ごみの減量とリサイクル化の促進を図っている。