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エバラ時報 No.192

オゾンを用いた活性汚泥法における汚泥減容化の基礎的研究

 エバラ時報 No.192 p.3 荒川 清美 ほか
 近年、余剰汚泥の少ない生物処理システムが望まれている。筆者らは、オゾンを用いた活性汚泥法における汚泥減容化方法としてオゾンを用いた連続実験を行い、オゾンによる汚泥の液化と汚泥の減容化の関係を主に検討した。更に、回分実験で汚泥をオゾン処理した際の物質の有機物質及び無機物質の挙動と活性汚泥の硝化活性度の変化を検討した。汚泥液化量はオゾン注入量とほぼ比例関係で増加し、それに伴い汚泥減少量も増加した。硝化活性度はオゾン注入率20mg-O3/g-MLVSS程度よりオゾン注入率を高くするに従い急激に低下した。
以上の結果から、オゾンを用いた活性汚泥処理において汚泥液化量は重要なパラメータであると判断した。

道路トンネル換気における走行自動車による軸方向拡散 —軸方向拡散係数の実験式に関する検討—

 エバラ時報 No.192 p.17 大橋 秀雄 ほか
 道路トンネル内の排出ガス濃度及び坑口漏れ出し量の予測に対して必要となる軸方向拡散力係数について、従来不明であった交通方向や車線数などによる影響を明確にするとともに、軸方向拡散力係数を算定する実験式を提示した。軸方向拡散力係数は、対面、一方交通などの条件とかかわりなく、自動車等価抵坑面積比によってだけ定まることが分かった。本研究により、すべてのトンネル規模並びに交通条件に対応する軸方向拡散係数が予測可能となった。換気計算への積極的な利用が望まれる。

電磁超音波共鳴法による2.25Cr-1Mo鋼のクリープ損傷評価(第一報)

 エバラ時報 No.192 p.24 大谷 俊博 ほか
 電磁超音波共鳴法(EMAR)を用いて、923Kで数種類の応力下において、2.25Cr-1Mo鋼のクリープ損傷を評価した。EMARは、電磁超音波トランスデューサ(EMAT)によって金属内にMHz帯域の共鳴を発生させる方法で、非接触で、材料の超音波減衰と音速を得ることができる。試験片には板材と丸棒を用いた。板材には板厚方向に横波を伝ぱする体積波用EMAT、丸棒には円周方向に横波を伝ぱさせる軸対称SH波用EMATを使用した。両方のクリープ試験において、減衰係数は損傷に対して敏感に反応した。減衰係数はクリープ進行にともなって大きく増加し、破断直前では、減衰係数は試験前の10倍近い値となる結果を得た。これらの変化は、材料内部の組織変化と対応していた。

充填塔式生物処理法によるトルエン含有排ガス処理

 エバラ時報 No.192 p.33 山下 茂樹 ほか
 近年、揮発性有機化合物(VOC)を含む排ガス処理の必要性が高まっている。充填塔式生物処理法は経済性及び安全性の点で優れた処理法である。しかし、装置サイズが大きい点が実用化における課題であった。我々はポリウレタン発泡体を充填担体とする生物処理装置を用いて、実験室規模の連続実験によって最大除去速度、Vm=1.5g/(m3・d)及び飽和定数、Ks=0.043g/m3を明らかにした。この結果を基に実規模装置の大きさを試算すると、実用的なサイズであることが分かった。また、今後この処理法は処理速度や処理安定性をさらに改善可能であり、VOC排ガス処理法の一つとして普及し、環境保全に貢献するものと期待される。

ベアリングレスモータ

 エバラ時報 No.192 p.40 佐藤 忠 ほか
 電動機と磁気軸受の機能を併せもつベアリングレスモータについて紹介する。
磁気軸受とは回転体を磁気浮上支持する軸受である。そのため、摩擦・摩耗がなく、潤滑油が不要となり、特殊環境での使用に適している。この磁気軸受を搭載する回転機械の多くは電動機をもち、この二つの構造は類似している。
このことに着目し、両者を一体化した回転磁気浮上機構であるベアリングレスモータを開発した。この一体化した構成により、軸長の短縮が可能となり、装置の小形化、高速化が可能である。また汎用の電動機部品やインバータが流用できるため、磁気軸受搭載の回転機械に比較して低コスト化が可能になる。

外郭放水路排水機場(第3報) —ポンプのコンパクト化—

 エバラ時報 No.192 p.47 日比野 信也 ほか
 超大形排水機場では近年建設費用の縮減のため、ポンプのコンパクト化が重要なテーマとなっている。
本機場に採用された立軸渦巻斜流ポンプの設計にあたり流れ解析技術の活用と実験による検証を行い、高効率・高吸込性能・コンパクト化を実現した。
また軸受装置・シール装置にも最新技術を適用し、補機の簡素化による信頼性の向上を実現した。

大場川上流排水機場

 エバラ時報 No.192 p.53 和田 健史
 大場川上流排水機場は、埼玉県東部の低平地である三郷市周辺の浸水被害対策として、埼玉県を事業主体に建設された。現時点で排水能力40m3/s、最終完成時には60m3/sとなる大形機場である。口径3000mmと2000mmの主ポンプを有し、複合減速機を介してディーゼル機関により駆動される。操作制御設備は運転員の作業負担を軽減するために自動運転化を取り入れている。

大規模風力発電システム —秋田新屋ウインドファーム—

 エバラ時報 No.192 p.61 石居 宏志 ほか
 既設の400kWの発電機2基を含む計10基の風力発電設備からなる秋田ウインドファームは、冬の厳しい気象条件と、初冬の日本海に特有の大規模な落雷を十分に考慮して設計、工事、試運転が行われ、2000年11月から売電を開始した。新設の8基は既設より大きく単機容量750kWで、ロータ中心高さ45m、ブレード長さ23.5m、ブレード先端の地上高さ69mに達する。設備の主要部品はデンマークのNEGMicon社製であるが、ナセルは当社袖ヶ浦工場で組立てられている。発電された電力は6.6/66kVの特高変電所を介して東北電力(株)の高圧送電線に連系されている。