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エバラ時報 No.194

FCC動力回収タービン用Ni基超合金の硫化 —腐食特性に及ぼす合金元素の影響の解明—

 エバラ時報 No.194 p.3 八鍬 浩 ほか
 ガスエキスパンダタービンのロータ材として用いられるNi基超合金(AISI685)の硫化特性を解明するため、その基本組成であるNi-20Cr-13.5Co合金の硫化に及ぼすTi、Mo及びAl添加の影響を、873K、硫黄分圧10-7~10-4PaのH2-H2S混合雰囲気中で調査した。硫黄分圧が10-4及び10-5.5Paの雰囲気では、合金表面全体が硫化物スケールで覆われ、合金の耐硫化性は4Mo及び1.5Al(特に1.5Al)の添加によって向上した。硫黄分圧が10-7Paの雰囲気では内部硫化を発生し、その深さはAl添加量の多い合金ほど浅くなった。

流動床ごみ焼却炉環境におけるボイラ管材料の高温腐食摩耗挙動

 エバラ時報 No.194 p.11 野口 学 ほか
 高温腐食摩耗環境における各種材料の損傷挙動を調査した。腐食だけ、あるいは摩耗だけで生じる減肉に比べ、腐食摩耗環境では著しい減肉量の増加が見られた。摩耗により保護皮膜が損傷を受け、耐食性を維持できず減肉速度が上昇したと考えられる。減肉速度は皮膜の有無に左右され、皮膜の消失と共に激しい減肉が生じた。材料の減肉速度は、摩耗の影響が少ないときは耐食性と一致するが、摩耗条件によっては耐食性の劣る材料の方が減肉量は少なかった。耐食性が劣る方が、皮膜が速く成長し摩耗の影響を受け難かったためと考えられる。

流動床式焼却施設のダイオキシン類対策工事

 エバラ時報 No.194 p.17 金子 充良 ほか
 既設流動床式都市ごみ焼却施設のダイオキシン類対策工事のうち、燃焼設備、排ガス処理設備の改造により排ガス中のダイオキシン類の削減を行うとともに、加熱脱塩素化処理による飛灰のダイオキシン類削減工事を行った施設の運転結果について報告する。
「新ガイドライン」に準拠したダイオキシン類削減工事により、排ガス中のダイオキシン類濃度は0.1ng-TEQ/m3(NTP)を十分下回り、ダイオキシン類の総排出量のほとんどを占める飛灰のダイオキシン類を加熱脱塩素化処理により99%以上を分解した。ダイオキシン総排出量は概算で0.34μg/ごみtonに削減できた。

高負荷型EGSBでの有機性廃水処理

 エバラ時報 No.194 p.21 本間 康弘 ほか
 当社で開発したEGSB(Expanded Granular Sludge Bed:膨張汚泥床)は、リアクタ内に多段に設置した気液固分離装置により、発生ガスを速やかに系外に排出する構造である。そのため、リアクタ内のグラニュール汚泥保持能力が向上し、従来型UASBの2倍以上の高負荷処理を達成できた。
清涼飲料製造廃水やビール製造廃水を対象にCODCr容積負荷30~50kg/(m3・d)の条件でも85~95%のCODCr除去率が得られた。将来的にはこのリアクタから発生するメタンガスを利用した燃料電池による発電に加え、本処理システムを創エネルギー型の下水・廃水処理システムの構築に適用することが期待できる。

高効率吸収冷温水機(REDシリーズ)

 エバラ時報 No.194 p.25 伊藤 理 ほか
 ガスや油を加熱源とする吸収冷温水機の新型機REDシリーズを開発・製品化し、販売を開始した。
新形機の主な特長に高効率化が挙げられ、当社開発当初機と比較しエネルギー削減率39%を達成した。これによりエネルギー使用量とCO2排出量相方において環境への負荷の低減が期待できる。そのほかにも小形・軽量化と高機能なマイコン制御盤といった特長をもつ。
また本機を製品化するにあたり様々な検証試験を行い、その運転時間は1000時間を超えた。この試験により製品の信頼性向上につながっている。

地下ダムの取水ポンプ設備(宮古島・喜界島)

 エバラ時報 No.194 p.30 鈴木 光春 ほか
 沖縄・奄美諸島の宮古島・喜界島は、地表水に乏しい地質により恒常的な水不足が農業発展の最大の阻害要因になっていた。そこで国が中心となり新たな農業用水資源として地下ダムを開発し、そこに貯留した地下水を井戸からくみ上げる取水ポンプ設備を今回納入した。
宮古島においては、国内最大規模(総貯水量20700千m3)の地下ダムを建設し、取水ポンプが171台設置され運用開始されている。農業用水の安定化が期待できる地下ダム取水ポンプ設備の採用事例を紹介する。

長野赤十字病院向けST6ガスタービンコージェネレーション設備

 エバラ時報 No.194 p.36 西村 正幸 ほか
 長野赤十字病院にST6ガスタービン発電機645kW 2台と排熱ボイラ2台からなるコージェネ設備を納入した。本設備は常用発電設備として運転されるが、災害時に商用電源が停電した場合には非常電源として病院内の重要負荷へ電力を供給する。本ガスタービン発電機は冷却水を必要としないことが非常電源としての利点である。排熱ボイラにはバイパスダクトを設け、換気・冷房設備には予備の送風機を設けることで非常時にも対応できるものとした。常用発電設備としてガスタービン発電機2台を運転したときは病院の消費電力の70%~90%を賄っている。排熱ボイラで製造する蒸気は冷房、暖房のほか、ランドリーなどで使用されている。

TIF型流動床式焼却施設 —仁川国際空港クリーンセンター—

 エバラ時報 No.194 p.40 鈴木 哲夫 ほか
 韓国の新国際空港内に、70t/d・炉×2系列の都市ごみ流動床式焼却施設が完成した。
本施設は、韓国の当社関連企業である暁星荏原環境エンジニアリング(株)が設計施工を担当した1号機であり、空港ごみ、関連施設の廃棄物、新都市のごみと下水汚泥を処理する。また、焼却で発生する熱は蒸気として場外のコージェネレーション施設に供給し、有効利用を図っている。焼却炉は日本国内で実績のあるTIF型流動床式焼却炉であり、更に最新の公害防止装置を備え、ダイオキシン保証値(0.1ng-TEQ/m3(NTP))を十分に満足している。本報では、施設の概要と運転状況について報告する。