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エバラ時報 No.196

3次元逆解法によるターボ機械翼の最適設計
—第2報、ポンプシリーズ開発と超コンパクト設計への適用—

 エバラ時報 No.196 p.3 後藤 彰 ほか
 ターボ機械翼の最適設計に関し、理想的な流れ場を規定し、これを実現する翼形状を数値解析により論理的に決定する、3次元逆解法設計のポンプ設計への適用事例を第1報に続き報告する。本報では、逆解法設計とCFD(Computational Fluid Dynamics)解析により、子牛面形状を系統的に検討し、シリーズ開発を行う手法について紹介した。複数の特徴的なシリーズを開発することにより、広い流量範囲と比速度範囲において、マス・カスタム設計の実施が可能となる。具体的な設計事例として、従来設計に対し40%以下の容積比を実現した超コンパクト化設計を紹介し、その実証試験結果についても報告した。

流動層晶析脱りん装置を用いたMAP回収に関する研究

 エバラ時報 No.196 p.12 島村 和彰 ほか
 高濃度のりんを回収する方法として、りん酸マグネシウムアンモニウム結晶(以下MAPという)で回収する方法が注目されている。筆者らは、流動層晶析脱りん装置を用いたMAP回収に関する研究を行った。実験では、りんの流入負荷を低くすること、反応槽内のMAPの粒径を小さくすることで、りんの回収率が高くなる傾向がみられた。MAP粒径は時間の経過とともに増加する傾向にあった。MAP粒径が増加すると処理が不安定になるため、小粒径のMAPを適時反応槽内に添加し粒径を制御したところ、回収率が80%以上で安定した。

清涼飲料製造工場におけるNF膜を用いた排水の再利用システム

 エバラ時報 No.196 p.21 宮木 均 ほか
 水の再利用を目的として、NF設備を主設備とする再利用システムを清涼飲料製造工場に導入した。工場では、各工程で大量の清水が使用されており、各工程排水の中から比較的清澄なものを分別し、有機物の除去を目的としてNF設備を用いた。NF装置の水回収率は85%と高く、また、操作圧力が低いため、ポンプの消費動力が少なく経済的な設備である。NF設備により、CODMnが70%以上除去され、蒸発残留物も40%程度除去されている。再利用システムの稼働により、水道水使用量は従来の1/2以下に削減された。水道水のコストのみならず、資源としての水の使用量削減、排水の排出量の削減ができ、環境負荷を低減できた。

速効性消毒剤による雨天時下水の消毒技術

 エバラ時報 No.196 p.27 長谷川 和広 ほか
 合流式下水道の雨天時越流水には、汚濁負荷に影響を与えるSSやBOD以外に、多くの大腸菌群が含まれる場合がある。汎用消毒剤である次亜塩素酸ナトリウムでは、短時間で大腸菌群を、水質汚濁防止法で定められた基準値(3×103CFU/ml)以下に消毒することは難しかった。臭素剤BCDMHを用いた雨天時越流水の消毒システムを開発し、ポンプ所で実証試験を行ったところ、18秒から6分で大腸菌群をおおむね基準値以下に消毒可能であり、残留ハロゲン濃度は0.2mg/l以下であることが確認できた。臭素剤BCDMHの安全性は次亜塩素酸ナトリウムとほぼ同程度であった。

高精度磁気浮上微動ステージ

 エバラ時報 No.196 p.36 渡辺 和英 ほか
 真空中などの清浄な環境で、ナノメートルレベルの超精密位置決めが可能な6自由度磁気浮上微動ステージの開発を行った。試作した磁気浮上微動ステージは、試料を載せる浮上ステージ、このステージを磁気力で非接触支持、微動位置決めする磁気アクチュエータ、ステージの位置を検出する変位センサで構成している。制御系は、H無限大制御理論を適用したロバスト制御系を構築し、DSPコントローラで実現した。このステージは、6自由度姿勢制御が可能で、数十μmからnmレベルまでの位置決め試験を行い、広範囲な精密位置決めが実現可能であることを確認したので報告する。

大容量ターボ分子ポンプの開発

 エバラ時報 No.196 p.43 宮本 松太郎 ほか
 ターボ分子ポンプのロータは、高速回転による高応力、真空断熱による高温及び排気ガスによる腐食という厳しい条件で使用され、破壊の可能性を考慮する必要がある。ターボ分子ポンプの大容量化により、ロータ破壊時の回転トルクや衝撃力は急激に増大する。ポンプ自体で回転トルクや衝撃力を低減させる機構(トルク低減機構)を備えたターボ分子ポンプは、安全面だけでなく、半導体製造などの装置のコンパクト化、低コスト化の面からも必要となる。当社の大容量ターボ分子ポンプは、本対策のほかに、大流量排気、広い運転可能範囲、排気流路高温化による生成物対策を特長としている。

ドライ真空ポンプ用二軸同期モータの開発

 エバラ時報 No.196 p.48 小島 善徳 ほか
 半導体製造プロセスに使用されるドライ真空ポンプは小形、省エネルギーが求められている。このドライ真空ポンプに最適な二軸同期モータを開発した。その特徴は、ポンプロータに直結された2本のモータロータが、一つのモータステータにより同期反転してポンプを駆動する点である。2本のロータで構成されるために、モータ全長は短縮され小形化が可能になった。またモータ特性はブラシレスDCモータの特性を活かした開発により、定格点だけでなく、広範囲に変動するドライ真空ポンプの負荷に対しても高効率になっている。
本報ではこの二軸同期モータの概要について述べる。

トラップの開発(第2報) —自動再生形生成物トラップの開発—

 エバラ時報 No.196 p.53 野村 典彦 ほか
 半導体製造装置の真空排気系における問題の一つとして、配管、真空ポンプなどに対する生成物付着による閉塞や腐食がある。第1報ではこの生成物の処理として現状のトラップではなし得ない、インラインにおけるメンテナンスフリー機能を備えたトラップの基礎評価を基に紹介した。第2報では実機搭載を目的とした機器の詳細と社内評価データを含め紹介する。

機能水製造システム —D/R/Oシステム—

 エバラ時報 No.196 p.61 小澤 卓
 近年、半導体、液晶ディスプレイ製造等エレクトロニクス分野でのウエット洗浄プロセスにおいて、環境意識の高まりと製造コストの低減のため超純水及び薬品使用量の低減が求められている。そのため廃水処理も容易で添加される薬品の量も極微量である機能水が実プロセスで使用されるようになってきている。
これらの各機能水製造装置をコンパクト化、システム化することによって用途に応じたフレキシブルな製造ラインの構築を可能とする。

300mmCMP装置の環境負荷低減

 エバラ時報 No.196 p.65 曽根 忠一 ほか
 ウェーハの大口径化は、生産能力の向上と生産コストの削減が目的であり、近年、生産コスト削減が重要視されてきている。しかし、ウェーハの大口径化は半導体製造における装置ユーティリティの増加、装置の大形化、装置イニシャルコストの増加、工場設備の増加を招いている。300mmCMP装置も基幹アプリケーションとしての地位を確立し、それに伴い工場設備に与える負荷も増大している。したがって、設備投資低減、省エネルギーといった要求にこたえ、生産コストを削減できる装置を供給する必要がある。ここに300mmCMP装置における省エネルギー、装置質量低減、装置製造コスト低減に関する検討状況を報告する。