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エバラ時報 No.197

3次元逆解法によるターボ機械翼の最適設計 —第3報、気体機械設計への適用と新理論—

 エバラ時報 No.197 p.3 後藤 彰 ほか
 最適な流れ場を入力値として規定し、これを実現する翼形状を数値解析により決定するというターボ機械の逆解法設計理論を、遠心圧縮機や軸流蒸気タービンの翼設計に適用した事例を紹介する。遠心圧縮機では羽根車内の2次流れを抑制し羽根出口流れを均一化することにより、また蒸気タービンノズルでは翼の積み重ね方を最適化し翼付け根まわりに発生する馬蹄渦の干渉を抑制することにより、いずれの場合も段落効率が改善できることを数値解析と実験実証結果により示す。更に、次世代の逆解法理論として、3次元粘性遷音速流れの逆解法理論を紹介し、遷音速軸流ファンの再設計結果を報告する。

磁気軸受搭載ロータダイナミクステストスタンドによる回転軸系の安定性評価

 エバラ時報 No.197 p.10 江口 真人 ほか
 5軸制御磁気軸受ユニットを搭載したロータダイナミクステストスタンドは、ポンプシールや軸受で発生する流体反力の計測装置である。テストスタンドは、回転軸の振動形態や偏心運動、振れまわり振幅を制御できる。この優れた特性が実機の多様な振動状態を想定した機械要素のダイナミクス評価を可能としている。ポンプの軸振動解析や構造系との連成振動解析などに必要とされる軸受・シール・羽根車流体に起因する動特性の計測例を示す。本報告では、特に、ロータダイナミクス解析では困難なポンプのいくつかの“Fault Condition”での流体反力の特性を紹介し、テストスタンドの有効性を展望する。

ポンプ機場の振動とその防止対策例

 エバラ時報 No.197 p.16 佐瀬 敏次 ほか
 機場設備は計画段階から、機場の振動を解析、予測し、適切な防止対策を行い、未然に防止することが必要である。機場の振動は機械的原因と流体的原因に大別される。機場予測は水路と建屋の連成解析を行う。大形排水機場の振動問題は水路の固有振動数と羽根面からの流れのはく離と可動羽根の油圧機構が連成した羽根振動の加振周波数の一致が原因であった。この対策として羽根にトリッピングワイヤを取り付けて加振力の低減と周波数の変更で解決した。海水取水ポンプの振動問題に有限要素法(FEM)による基礎構造物全体をモデル化しポンプと一体解析することで振動に影響する部位に対して最適な支柱太さ、ピッチを決定し低振動化を行った。減速機の噛み合い周波数及びその高調波の振動・騒音問題では軟質ゴムによる防振を行い、300Hzで20dB減衰し、解決した。

フラップ弁の動特性

 エバラ時報 No.197 p.25 武者 裕之 ほか
 排水ポンプに逆流防止のために取り付けられているフラップ弁は、ポンプ非常停止時に大きな衝撃音と衝撃力を発生し閉止することがよく知られている。しかし、その閉鎖特性については詳細に解明されていない。そこで、口径100mmの実験装置により、弁閉鎖時の管内圧力、衝撃加速度及び弁開き角度の時間変化を測定し、衝撃力を緩和・抑制する方法について調べた。この実験により次のことが判明した。弁閉鎖時の衝撃加速度は流速減衰率に比例して増加する。衝撃加速度は、弁体に質量の増加と弁座角度を付けることにより抑制・緩和できる。水柱分離は、弁近傍で発生する。空気立ち上げ管により、水柱分離の発生を抑制できる。

マンホールポンプ無線通報システム

 エバラ時報 No.197 p.30 櫻井 悦子 ほか
 マンホールポンプの通報装置において、一般電話回線を利用した通報装置にかかる電話料金のうち、特に月々の基本料金を削減するため、無線通信を導入した通報システムを開発した。本システムでは電波使用料が不要な無線方式を採用し、当社の既存製品の部品一部交換で無線化を可能にしたことなど、特徴あるシステム構築ができた。その結果一般電話回線へ1箇所の接続で、最大31箇所のマンホールポンプを監視可能であり、大幅な電話料金の削減を実現した。システムと実施例について紹介する。

斜置水中モータポンプシステムの開発

 エバラ時報 No.197 p.36 大庭 考伸 ほか
 東南アジアの多くの河川は、雨期と乾期の水位変動(8~20m)が大きく、長い土手斜面(20~40m)を有する。従来、乾期に低水位となった河川からかんがい用水を揚水するために長軸の斜軸ポンプを採用していたが、次の3点の問題を抱えていた。

1 . 土手斜面の不等沈下や上昇に適応できないポンプ構造である。
2 . 分解組立が困難であり保守点検を容易に行えないポンプシステムである。
3 . 土手斜面の不等沈下や上昇を防止するために剛構造のコンクリート基礎工事が必要となる。

この問題点をほぼ完全に解決できるポンプシステムを開発し、ラオス国とベトナム国に納入した。

発電設備付都市ごみ流動床式ガス化溶融炉(国内第1号) —酒田地区クリーン組合—

 エバラ時報 No.197 p.39 斎藤 潔 ほか
 酒田地区クリーン組合向に発電設備付都市ごみ用国内第1号の流動床式ガス化溶融施設を納入した。排ガスダイオキシン類濃度は0.1ng-TEQ/m3(NTP)を大幅に下回る良好な状況であり、水砕スラグの溶出試験結果も、厚生労働省通達以下の問題のない状態であることが確認された。試運転中に発生したスラグを利用してインタロッキングブロックを試作し、当施設構内の歩道及びJR酒田駅前広場公園に試験施工された。また、焼却によって発生した排ガス廃熱から蒸気として回収されたエネルギーは、復水タービンに給気し、最大1990kWの発電に活用されている。余剰電力は東北電力に売電している。

太陽光発電システム —EBARA Solar, Inc. 製太陽電池モジュール納入—

 エバラ時報 No.197 p.44 児嶋 勝 ほか
 EBARA Solar, Inc. 製太陽電池モジュールを、太陽光発電システムとして、3箇所に納入したので紹介する。
それぞれ以下の特色を持ったシステムであり、今後広く応用されることが期待できる。1.軽量化が図られた樹脂カバー形太陽電池モジュールに駆動装置を具備し、アトリウム直下に配置し、駆動させることにより、ルーバ機能を兼用させたソーラルーバシステム。2.標準ガラスカバー形太陽電池モジュールの配置を、建物外壁とデザイン的に一体化させたシステム。3.太陽光発電設備と小形風力発電設備を連動させ、更に電力安定供給を図るため蓄電池設備を付加した環境教育用ハイブリットシステム。