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エバラ時報 No.198

3次元逆解法によるターボ機械翼の最適設計
—第4報、最適化アルゴリズムと逆解法のハイブリッド化—

 エバラ時報 No.198 p.3 後藤 彰 ほか
 第3報までの様々な適用事例により、理想的な流れ場を規定し、これを実現する翼形状を数値解析により論理的に決定する、3次元逆解法設計の有効性を示した。本報では、3次元逆解法とCFD解析(Computational Fluid Dynamics)を、最適化アルゴリズムと連動させることにより、ターボ機械の翼形状を完全自動最適化する技術を紹介する。自動最適化の初期値依存性、最適化アルゴリズム依存性を検討した後、斜流ポンプ羽根車の効率と吸込性能の両者を最適化するという、多目的最適化の事例を示す。更に、遠心圧縮機羽根車の効率及び圧力特性を、広い流量範囲において改善できることを示した。

水撃対策に関する近年の話題

 エバラ時報 No.198 p.12 江藤 文宣
 送水システムの設計・計画を行う上で重要な技術テーマの一つとして、管路系に生じる水撃現象がある。水撃現象が発生すると、機器・管路の破損を伴う事故が生じることがあるため、あらかじめ水撃検討を行い対策する必要がある。当社では特性曲線法を基とした流体過渡現象解析プログラム「TRAP III」により計算を行い、検討を行っている。
本報では最近実施された水撃検討事例の中から比較的特殊な事例として、(1)逆止め弁のスラミング、(2)プラントにおける水撃検討、(3)水柱分離を許容した水撃検討、(4)管路中の空気が過渡現象に及ぼす影響について紹介する。

オゾン・AOP法による内分泌撹乱化学物質・ダイオキシン類分解に関する研究

 エバラ時報 No.198 p.18 中川 創太 ほか
 下水又は排水中には内分泌撹乱化学物質が含まれる場合がある。内分泌撹乱化学物質が生態系に与える影響については、現在調査が進められている段階であり、ダイオキシン類以外では環境基準及び排水基準が定められていない。しかし、人の健康や生態系への影響は未然に防止する観点から、対策は行うべきと考えられる。筆者らはAOP法による内分泌撹乱化学物質の分解実験を行い、AOP法が高い分解性能を持つことを示した。また、ダイオキシン類とダイオキシン類以外の内分泌撹乱化学物質では分解性が大きく異なることを明らかにし、特にダイオキシン類については、孔径分画ごとの分解性についても明らかにした。

合理的な都市廃棄物総合処理システムについて

 エバラ時報 No.198 p.26 山田 紀夫 ほか
 メタン発酵は歴史ある技術であるが、様々な理由で他の処理技術が広く普及しているのが現状である。しかし、近年エネルギー回収の面から見直され始めており、生ごみなどの高濃度の有機性廃棄物に適用されるようになってきている。
このような状況の中で、都市廃棄物の処理方法として、メタン発酵と焼却処理とを組み合わせた総合処理システムの検討を行った。有機性廃棄物を分別してメタン発酵することによって、エネルギーが回収できるとともに、可燃ごみの焼却熱量も確保できる。更に、アンモニア回収など新しい技術を付加することによって、システム全体の合理性を高めることができる。

線焦点形EMATの開発

 エバラ時報 No.198 p.32 大谷 俊博 ほか
 線焦点形の電磁超音波探触子(EMAT:Electromagnetic Acoustic Transducer)を開発した。線焦点形EMATは、直線部間隔が連続的に変化させられた蛇行コイルと蛇行コイルの上部に設置した永久磁石から構成されている。蛇行コイルの直線部は、各直線部の下部から放射されるSV波が金属内のある線上で同位相になるように配置する。SV波は単一の線音源から放射された場合でも、すでにある方向に鋭い指向性をもつ。焦線をこの方向に設置することで、極めて指向性の高い線焦点EMATが実現できる。同EMATは、0.05mm深さの人工ノッチの存在を感度良く検出する。また0.6mmまでのリフトオフには実用上耐えうる。

外郭放水路排水機場(第4報) —操作制御設備—

 エバラ時報 No.198 p.38 滝田 茂雄 ほか
 首都圏外郭放水路及び排水機場の洪水運用管理を行うシステムを構築した。このシステムは、四つの河川からの越流水を地下河川に流入させた湛水を、地下河川終点の排水ポンプにより江戸川へ排水する運用操作において、総合的に監視制御を行うものである。この運用は迅速かつ的確な運転管理と信頼性の高い排水操作が要求されるが、開閉複合水路運用であるために非常に困難である。本システムでは様々な技術を導入して、この排水制御機能を実現した。本報では、本システムの機能の概要と実運用時のデータを紹介する。

大沢川排水機場におけるコンパクト化の実現

 エバラ時報 No.198 p.46 齋藤 浩之 ほか
 秋田県南部の本荘市内に建設された大沢川排水機場は、コンパクト化の実現のため、ポンプ形状・駆動設備・電源系統・付帯設備の構成等について、新技術や新システムが導入された。この結果、従来施設の約60%の設置面積で建設され、建設費、維持管理費が抑えられている。
また、騒音・排気・悪臭といった周辺環境に対しても、配慮されている。

男鹿東部南部排水機場

 エバラ時報 No.198 p.51 鈴木 光春 ほか
 男鹿東部南部排水機場は、八郎潟干拓事業で1963年に建設されたポンプ場で約38年間稼働してきた。1983年の日本海中部地震を契機に機能低下が著しく生じたため、農地防災事業として2001年8月に更新された機場である。新機場の建設にあたり「建設コストの縮減」と「設備の信頼性・操作性の向上」を目指し、西部承水路用に高比速度形ポンプを採用してのポンプの小形化と、主ポンプを無注水化し減速機・電動機を空冷化した完全無水化を図り設備の簡素化が実現している。また操作制御設備には運転員の作業負担を軽減するために運転支援装置が取り入れられ、運転の信頼性と操作性の向上を図っている。