テクノロジー&サービス

最先端テクノロジー&サービス

エバラ時報 No.199

3次元逆解法によるターボ機械翼の最適設計 —第5報、高吸込性能ポンプの設計—

 エバラ時報 No.199 p.3 足原 浩介 ほか
 高吸込性能ポンプの設計事例として、3次元逆解法によるインデューサポンプの最適設計を紹介した。翼負荷として前半負荷分布を採用し、かつ前縁負荷をゼロとする逆解法設計によれば、入口逆流を抑制しながら、所定の運転範囲で必要な吸込性能を確保することが可能であることを実験実証し、インデューサの新しい設計指針を示した。また、インデューサの振動や破損事故の原因となる旋回キャビテーションに対しても抑制効果があることが確認できた。更に、インデューサと組み合わせる主羽根車に関し、逆解法による入口予旋回の考慮の重要性や、中間羽根の逆解法設計による吸込性能改善効果を紹介した。

オゾンによる余剰汚泥減容化の実排水への適用についての研究

 エバラ時報 No.199 p.12 小林 琢也 ほか
 余剰汚泥の削減を目的として、下水及び食品工場廃液の処理にオゾンによる汚泥減容化を適用した。下水処理に適用した場合、沈殿池方式においてオゾン1kgに対し約3kgの汚泥が減容化した。また、オゾン反応槽内では生物反応が起きていることが確認された。
固液分離に膜分離を採用したところ、汚泥減少量が沈殿池方式と比較して低下した。沈殿池方式と膜分離方式で汚泥発生量の内訳を比較したところ、微生物は両者ともよく減少した。これに対し膜分離法では、灰分や微生物以外の有機物が減少しにくく、汚泥減少量の低下の原因と考えられた。

汚泥用脱気装置の開発

 エバラ時報 No.199 p.19 秦 良介 ほか
 下水の集約汚泥処理施設において、長距離間輸送により腐敗性ガスを含んだ汚泥に対し、真空脱気処理を施す実験を行った。基礎実験によって重力濃縮槽での沈降濃縮性が改善されることを確認し、更にパイロットプラントによる実証実験を行った。四季の実験により真空脱気処理によって年間を通じて重力濃縮槽でのスカムの発生を完全に抑制し、夏期及び秋期においてSS回収率は撹拌脱気と比較して20ポイントの優位性があった。また真空脱気処理が汚泥の脱水性に与える影響を調査することを目的にパイロットプラント規模の脱水実験を行い、未処理の場合と比較してケーキ含水率について秋期の実験で1.9ポイント、冬期の実験で1.8ポイントの優位性が認められた。そのほか汚泥臭気についても調査し、ガスが強制的に除去されることで汚泥臭気が軽減されることを確認した。

逆浸透膜法(RO)の水回収率向上とスケール防止

 エバラ時報 No.199 p.30 斉藤 孝行 ほか
 逆浸透膜法(RO)による純水製造は、維持管理が容易なことから多数採用されているが、水の回収率が低いという課題があった。ROの水回収率を高めるためには、濃縮水側でのスケール発生を抑制しなければならない。スケール発生の原因として、硬度成分の水酸化物やシリカが考えられるため、硬度成分やシリカの凝集特性を調べ、スケール発生メカニズムを解明した。
その結果、濃縮水のpHが中性付近で最もスケールが発生しやすく、特にMgイオンはシリカと反応してマグネシウム・けい酸塩を形成することが分かった。

亜臨界水条件下における電解反応

 エバラ時報 No.199 p.35 芹川 ロベルト 正浩
 亜臨界水条件下では電解反応は常温常圧条件下とは完全に異なった挙動を示す。250℃、7MPaの亜臨界条件下では周知の酸素と水素を生成する水の電気分解反応が進行しない。しかし、この条件下の電解反応で効果的にアンモニア、有機物などを完全に無機化することが可能であった。この電解による無機化反応は外部から酸素を挿入することにより更に効率化でき、電解酸化の観点から100%以上の電流効率で反応が進むことが確認された。この電解反応を廃液処理用に用いた連続処理プロセス及び装置について紹介した。

ダメージフリープロセスを目指す ICP-マルチビーム加工技術

 エバラ時報 No.199 p.44 一木 克則 ほか
 エッチング中のチャージアップやプラズマからの放射光ダメージを抑制するため、高効率低エネルギー中性粒子ビーム加工装置「ICP-マルチビーム加工装置」を開発している。ビーム源は誘導結合プラズマ源と上下の平行平板電極とからなる。下部電極には直径1mm、長さ10mmのビーム放出孔が多数設けてある。上下の電極にDCバイアスを印加すると生成された正イオン、負イオンは下部電極に加速、中性化されて基板に照射される。負イオンの方が正イオンより高効率で中性化され、その中性化率は最大でほぼ100%であり、ビームフラックスはイオン換算電流密度で4mA/cm2と高密度であることが分かった。基板へのチャージアップと紫外線放射ダメージも抑制されていることが分かった。

エネルギー回収型汚泥再生処理センター —海南海草環境施設組合—

 エバラ時報 No.199 p.48 吉田 伸二
 2001年3月に竣工した海南海草環境衛生センターの処理方式は回転平膜を採用したUFデニパックプロセス(膜分離高負荷脱窒素処理方式)である。処理能力は、し尿89kl/d、浄化槽汚泥41kl/d、合計130kl/dである。堆肥化設備は、厨芥ごみ0.25t/dと乾燥汚泥0.25t/dを処理する能力がある。
 同センターは、循環型社会に対応することを理念に、資源化設備として堆肥化設備を有し、また太陽光発電設備(発電能力20kW)を設置するとともに、生物処理(反応槽)で発生する熱を回収して隣接する温室に供給する熱回収設備を設けている。一般に、生物処理で発生する熱はすべて熱交換の後に冷却塔で放熱しており、同センターのように有効利用している例は少ない。

大型ストーカ式都市ごみ焼却施設における建設と運転の状況

 エバラ時報 No.199 p.52 神保 元 ほか
 東京都から、700t/dのストーカ式焼却炉と130t/dのプラズマ式灰溶融炉からなる足立清掃工場プラント更新工事と、台湾/基隆市から、600t/dのストーカ式焼却炉の建設工事を受注した。
 足立清掃工場は、既存建物を再利用してプラント設備の更新を行うスクラップ&ビルド式のリフォームで、工場を稼動させた状態で工事を行うことが特長である。現在、新1号炉及び灰溶融炉の建設を進めるとともに、新2号炉が先行して竣工し安定した運転を継続している。
今回、基隆向けの設計が完了するとともに足立清掃工場の運転状況が良好なことから、ダイオキシン類などの公害防止技術や運転方法など多岐にわたる大型ストーカ炉に関する知見を得た。