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エバラ時報 No.202

SUS304ステンレス鋼のクリープ損傷に伴う超音波減衰と材料微視組織の変化

 エバラ時報 No.202 p.3 大谷 俊博 ほか
 電磁超音波共鳴法(EMAR)を用いて、973Kで数種類の応力下において、SUS304鋼のクリープ損傷を評価した。EMARは、電磁超音波トランスデューサ(EMAT)によって金属内にMHz帯域の共鳴を発生させる方法で、非接触で、材料の超音波減衰と音速を得ることができる。試験片の板厚方向に横波を伝ぱする体積波用EMATを使用した。減衰係数は損傷に対して敏感に反応した。減衰係数はクリープ進行に伴って大きく増加し、破断直前では、減衰係数は試験前の10倍近い値となる結果を得た。これらの変化は、材料内部の組織変化、特に転位の可動性と対応していた。TEM観察から、そのことが裏付けられた。この評価法は、クリープ損傷に伴う損傷評価や余寿命予測に使える可能性を示した。

凝集沈殿処理によるダイオキシン類の形態別除去特性

 エバラ時報 No.202 p.12 堤 かおり ほか
 焼却炉スクラバ排水に対して塩化第二鉄を用いた凝集沈殿処理を行った。その原水及び処理水について有効径1μm及び0.1μmのフィルタにより粒子分画試験を行い、各分画のダオキシン類の異性体プロファイルを解析した。
 その結果、処理水のダイオキシン類濃度は0.1μm未満の分画において一様に減少し、0.1~1μmの分画において一時的に増加したことから、凝集沈殿処理により粗粒径化・除去れることが分かった。また、原水濃度(x)、凝集剤濃度(A)及び処理水濃度(y)は各分画で同一の回帰式で表された。
 y=2.3×1010×(x/A)+1.8(0.1μm未満)

海外市場向け汚水汚物水中ポンプDL型の範囲拡大

 エバラ時報 No.202 p.19 近藤 範 ほか
 海外市場の仕様に適合する、新形汚水汚物水中ポンプを開発した。本ポンプは、従来機種に対し、流量、揚程範囲を拡大するとともに後退翼羽根車を採用している。これにより羽根車前縁部における繊維状異物の絡みを防止することができ、無閉塞性を向上させている。また、逆解法によるハイドロ解析を行うことで十分な異物通過径を確保しながら高効率を実現している。
 本製品は、当社DL型汚水汚物用水中ポンプの拡大機種として、口径150~300mm、出力30~45kWの範囲で、海外市場で販売していく。

新EVM型ステンレス立形多段ポンプ

 エバラ時報 No.202 p.23 川畑 潤也
 立形多段ポンプは低価格で、かつ据え付け面積が小さいことなどから全世界に普及しているワールドワイドポンプである。この度、国内向けに販売しているVDP型及び海外向けのEVM型を統合し、世界市場に対応する新EVM型ステンレス製立形多段ポンプを開発した。本シリーズでは、カートリッジメカニカルシールを全機種に採用しメンテナンス性を高めるとともに、各種フランジ規格・電動機規格に容易に対応できる構造になっている。また、羽根車等のハイドロ部品は逆解法を用いて設計し、特に大口径機種は3次元プレス羽根車を採用して性能向上を図っている。

フレッシャー3100高揚程形自動給水ユニット

 エバラ時報 No.202 p.28 小松 崇秀 ほか
 高層ビル向けのインバータ搭載形自動給水ユニット(F3100高揚程形)の開発を行った。
 この製品は、従来形の自動給水ユニットで供給できなかった揚程80m~200mへの給水を可能にした。また水道法「給水装置の浸出性能基準」に適合し、飲料水としての安全性を確保している。更に、故障時の断水を防ぐために、バックアップ機能を充実させ、万一の場合でも運転継続を可能にした。

排水ポンプユニット

 エバラ時報 No.202 p.31 西巻 淳也 ほか
 近年、台風による被害や局地的集中豪雨による浸水被害が、大中規模の河川だけでなく小規模河川や都市部などでもみられ、従来の排水機場では対応できない複数箇所での小規模な出水が頻発している。ここで紹介する排水ポンプユニットは、排水作業に必要な機材をユニットに収納し、任意の車両に搭載運搬できる排水設備である。

周辺環境対策型トンネル換気設備

 エバラ時報 No.202 p.36 宇田川 浩史 ほか
 飛鳥山トンネルは、JR王子駅、飛鳥山公園の下に設置された都市型トンネルであり、周辺大気環境の保全が求められている。このため、トンネル換気設備では、坑口漏れ出し抑制制御を行っている。更に、坑口漏れ出し抑制に対して換気効果の高い、縦流式、排気半横流式、縦流式からなる組合わせ換気方式を採用することにより、効率的な換気を実現している。
 本稿では、換気設備の概要及び設計手法について紹介する。

独立電源蓄電池型「太陽光+小型風力」ハイブリッド発電システム

 エバラ時報 No.202 p.45 阿部 亨 ほか
 山梨県中巨摩郡敷島町牛句地区の矢木羽湖農村公園に独立電源蓄電池型「太陽光+小型風力」ハイブリッド発電設備を納入したので紹介する。
太陽光と風力ハイブリッド発電システムは相互に補完し合う発電設備である。また、独立電源蓄電池型設備は商用電源のない離島、山間地用のほかに災害時等のバックアップ電源として用いられる。本設備では、太陽電池で発電された電力で水中ポンプを駆動し、取水ピットから公園内のせせらぎ水路、湖と水を循環させることで湖水の水質悪化を防止している。また、小型風力発電機と太陽電池の一部で発電された電力を蓄電池に充電し、これをAC100Vに変換し公園内の外灯などに電力供給する。この電力は災害時のバックアップ電源となる。

TIF型流動床式ガス化溶融施設 —南信州広域連合/桐林クリーンセンター—

 エバラ時報 No.202 p.51 井上 覚 ほか
 南信州広域連合向けに46.5t/(d・炉)×2系列の都市ごみ流動床式ガス化溶融施設桐林クリーンセンター新焼却場を納入した。
 焼却施設は国の公害防止基準に適合した施設であり、排ガス中に含まれるダイオキシン類は、基準値0.05ng-TEQ/m3(NTP)以下を十分満足している。焼却余剰熱は廃熱ボイラにより蒸気として回収され、場外の熱利用先へ熱供給されるほか、蒸気タービン・発電機による最大780kWの発電を行い、場内負荷電力への供給を行っている。
 焼却残さのうち金属類は有価物としてリサイクルされ、溶融スラグは各種骨材に有効活用されている。

流動床式ガス化溶融炉 —クリーンプラザ中濃—

 エバラ時報 No.202 p.55 安井 浩平 ほか
 中濃地域広域行政事務組合向けに流動床式ガス化溶融施設を納入した。施設規模は56t/(d・炉)×3炉=168t/dであり、2002年10月~2003年5月までに、19000tのごみを焼却している。本施設は、埋立残さの溶融処理と酸素発生装置を利用した自燃自溶運転を行っており、最終処分場の延命化と低用益費用の実現に寄与している。
 性能試験において、排ガス分析等の引渡条件はすべて保証値をクリアし、試運転開始以来、安定した溶融運転を継続している。