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エバラ時報 No.203

逆解法設計を用いた水車ランナのキャビテーション抑制

エバラ時報 No.203 p.3 岡本 秀伸 ほか

キャビテーションの抑制を目的に、3次元逆解法設計をフランシス水車ランナの設計に適用し、翼負荷パラメータ及びレーキ角の影響について検討した。既存ランナと逆解法設計ランナについてCFD結果により翼面静圧を比較し、翼負荷パラメータによってランナ内の静圧分布を制御して翼内の最低静圧値を上昇させた。この結果によりキャビテーションを抑制できる。また、ランナ内の最低静圧はレーキ角に敏感であることが明らかとなった。翼負荷パラメータとレーキ角の制御を用いて、逆解法設計により耐キャビテーション特性に優れたランナを設計することができた。以上の結果から、逆解法設計手法は、水車ランナの設計においても有益なツールとなりうることを示した。

ダイナミックろ過を用いた活性汚泥処理法

エバラ時報 No.203 p.8 葛 甬生 ほか

ダイナミックろ過法はわずかな水頭圧で高いろ過流束(フラックス)が得られることから、従来の沈殿池方式に比べ、数倍以上の処理能力があると考えられる。本研究では実排水処理にダイナミックろ過を適用して連続実証実験を行った。実験では、団地下水の循環式硝化脱窒処理での処理性能及び食品廃水の活性汚泥処理でのろ過性能の検証を行った。団地下水の循環式硝化脱窒処理では、良好なろ過性能と安定した窒素除去性能が確認できた。最大100m3/dのパイロットプラントを用いた食品廃水処理では、MLSS6000mg/lにおいて、フラックスが平均2m/d以上、ろ過水SSが平均10mg/l程度と安定した処理性能が確認できた。

3次元イメージモデリングシステムの開発 —産業機械デジタルエンジニアリングへの応用—

エバラ時報 No.203 p.14 原 俊雄 ほか

プラントエンジニアリング産業ではデジタルエンジニアリング体制が急速に確立してきており、産業機械メーカに対しても3次元デジタルデータの提出を要望している。この対応策として、2次元図とカタログ・マニュアル情報から3次元イメージモデルを短時間で簡便に作成するシステムを開発した。メカニカル3D/CADで作成した機械の3次元モデルをエンジニアリング3D/CADに移行してマザーモデルを作成し、3次元イメージモデルをパラメトリックに自動作成するシステムである。この3次元イメージモデルは、プラントレイアウトや配管のデザインレビュー用に、またトレーニングシステムなどのメンテナンス支援用にと幅広く応用展開できる。

排出ガス清浄化を目指した荒川町ポンプ場

エバラ時報 No.203 p.19 村上 高慈 ほか

2001年5月から川口市内で建設中であった荒川町ポンプ場(計画排水量19.045m3/s:今回8m3/s)のポンプ設備が2003年9月に完成した。本ポンプ場は、従来の合流式下水道を見直し、分流式へ移行する整備工事のうち、雨水整備事業の一環として建設されたものであり、荒川スーパ堤防内に構築された完全地下式のポンプ場である。本ポンプ場は、二重燃料装置(Dual fuel system)付立形ガスタービン(Vertical gas turbine-engine)を採用している。通常時は都市ガスを使用することで排出ガスの清浄化を図り、予備燃料として場内に貯留している灯油を使用することで、信頼性を向上させている。また、排出ガス中の窒素酸化物低減を目的とし、液化アンモニアを使用した脱硝設備を設置している。

高速2号東山線 東山トンネル換気設備

エバラ時報 No.203 p.23 杉山 渉 ほか

市道高速2号東山線東山トンネルは名古屋大学、東山動植物公園周辺の丘陵地帯を貫通する自動車専用道路トンネルであり、2003年3月29日に供用開始となった。
トンネル換気設備は車両から排出される排気ガスによるトンネル内空気の汚染を防ぐと同時に、火災発生時には車両運転者の避難環境の確保及び排煙機能をもつ必要がある。そこで本トンネルでは計画段階で様々な換気実験研究、検討が重ねられた結果、坑口周辺の環境対策を考慮した集中排気付横流換気方式が採用された。
当社は本トンネルの緑橋換気所(下り)換気設備及び上下線全体の換気制御設備を設計・施工し、順調に稼動中であるのでその概要を報告する。

(株)イースクエア向け100MW級発電プラント

エバラ時報 No.203 p.31 宮下 俊明 ほか

特定規模電気事業者である(株)エネットと当社の共同出資による発電事業会社である(株)イースクエアのかずさパワープラントが2003年4月1日から営業運転を開始した。本プラントは、ガスタービン3基と蒸気タービン1基から構成される100MW級のコンバインドサイクル発電プラントである。本発電所の蒸気タービンには当社製の横形10段落外部制御混気復水衝動蒸気タービン2SQNV-9を、ガスタービンには航空機転用形ガスタービンFT8を使用している。当面かずさパワープラントの運用形態はDSS運転で、かつ、(株)エネットからの給電指令に基づき出力調整を行っており、順調に運転を行っている。

むつ小川原ウィンドファーム及び岩屋ウィンドバークの竣工

エバラ時報 No.203 p.38 石居 宏志 ほか

青森県の下北半島に、むつ小川原ウィンドファーム及び岩屋ウインドパークから成る国内最大の大規模ウィンドファームが完成した。
1500kWの大型風車を2箇所で合計40基建設した大規模ウィンドファームの設計・施工には、これまで当社が風力発電所建設工事で培ってきた知識と経験を基に、更に新しい手法も多数採用している。これらは、今後日本において主流になると見られる大規模ウィンドファームの設計・施工方式の基礎となる。

水道に関する国際標準化の現状とISO/TC224の動向

エバラ時報 No.203 p.44 吉村 和就

水道はその国、その地域の水源を使い、その地域の人々に供給するため、これまで国際化とは無縁であり、日本においては100年以上にわたり、独自の水道文化を築いてきた。しかしここにきて大きな変革の波を迎えようとしている。
国内的には水需要の低迷、人口の減少、老朽化施設更新への巨額の投資、民営化問題などが挙げられ、そのあり方があらゆる角度から問われている。このようななかで、国際的に大きな波紋が投げかけられているのがフランスから提案された「上下水道サービス事業の国際規格化」の動きである。これはISO委員会の承認を経て、現在ISO/TC224として各国の国益を賭け、関係者の間で真剣に討議されている。筆者は日本代表委員(水道部門)として当初からこの国際規格作りに参画しているので、ここに国際標準化の現状とISO/TC224の動向を紹介する。