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エバラ時報 No.206

21世紀COEからの提言

ポンプ水路系で発生した複雑な脈動と振動現象及びその対策(第1報、現地計測による現象の把握)

 可動羽根ポンプをもつ大形排水機場で過大流量運転時に大きな脈動が発生した。水路脈動、軸振動、羽根角制御機構の油圧変動などを測定し、更に吸込口に空気を送った場合及び水路内に空気袋を設置した場合の測定も行い、原因究明を図った。加振源は羽根からのはく離渦で、水路共鳴が励起されていたことが判明した。しかし、脈動の卓越周波数はポンプの回転速度に敏感で、回転速度が低下すると逆に上昇する。逆もいえる。また、脈動と軸振動は同じ羽根角で発生せず、羽根角を徐々に変えると、脈動が突然なくなり、それと同時に軸振動が大きくなる。調査結果に基づき、渦放出の周波数が水路の共鳴固有振動数より高くなるように対策を施し、脈動の発生を解消した。

ポンプ水路系で発生した複雑な脈動と振動現象及びその対策(第2報、羽根面はく離制御による対策)

 大形排水機場で発生した圧力脈動・振動問題の解決のために、脈動の加振源と考えられる、ポンプ羽根面からの流れのはく離の非定常特性を調べた。2次元渦法を用いた流れ解析により、オリジナルの翼型では、羽根面からの非定常はく離により、水路の音響固有値と近い周波数の周期的な変動流体力の発生が予測された。羽根の前縁近傍に小突起を取り付けることにより、羽根面流れのはく離を制御し、流体力の変動量を減少させると共に変動周波数を大きく変更できることがCFDにより予測された。加振周波数と水路の音響固有値を離すことにより、共鳴による脈動振幅の増大を防止できる。実機への小突起の適用により、脈動問題を解決した。

冷温水同時供給形吸収冷温水機の特性解析

 冷温水同時供給形吸収冷温水機は、冷房負荷と暖房負荷とが同時に存在する空調システムに用いられる。本報では、冷温水同時供給形の吸収サイクルとその制御方法を分類し、サイクルシミュレーションにより実機で採用するサイクルと制御方法などを検討した。吸収サイクルは、温水器の凝縮冷媒を冷水製造に利用するエコノマイザサイクルが、省エネルギーとなる。エコノマイザサイクルには、温水器の凝縮冷媒を冷水製造側に移動する方式として、全量移動と必要量移動方式があるが、必要量だけを移動する方式が優れている。このサイクルに溶液循環量制御の改良を加え、全運転範囲で良好な省エネルギー性が達成できた。

2槽式流動層MAPリアクタによる高効率りん回収方法の検証

 筆者等は、高回収率が維持可能で、且つ薬品コストを低減したりん回収システムの開発を行った。リアクタはメインリアクタとサブリアクタからなる2槽式リアクタを採用し、メインリアクタ内のMAP粒径を平準化することで高回収率を維持した。また、高濃度のりん含有廃水に対し、安価な水酸化マグネシウムと硫酸を併用することで薬品コストを低減した。今回、処理量20m3/dのパイロット実験プラントをMセンタに設置し、嫌気性消化の脱離液を対象に上記の実証試験を行った。消化脱離液のりん濃度が約300mg/lに対し、処理水のりん濃度を10~25mg/lに低減できた。りん回収率は90%以上であり、良好に処理することができた。

カスタムポンプ電子カタログシステムの開発

 カスタムポンプは、顧客の要望に対応する性能・機能・附属品の組み合わせが複雑で、膨大になる。このため、仕様決定には、顧客と営業と技術部門間での繰り返し調整が必要であり、従来からこのプロセスの革新が課題とされていた。カスタムポンプ電子カタログシステムは、カタログ情報と性能・機能選定機能とドキュメント出力機能をシステム化することによって、見積業務のフロントエンドでの処理を可能としており、営業・技術業務の効率化と見積リードタイムの短縮を図ることができる。
本稿では、このカスタムポンプ電子カタログの内容と、電子カタログシステムの開発、及び電子カタログ関連の一般動向について記述する。

省エネルギー形ターボ冷凍機RTCシリーズ

 空調設備業界におけるCO2排出削減に貢献するため、成績係数(COP)が他の熱源機と比べて高いターボ冷凍機が注目されている。RTCシリーズは、空力性能の向上や玉軸受採用による機械損失の大幅低減を図った高効率多段圧縮機を中心に、サイクル効率、システム効率の改善などを行い、大幅な省エネルギー化を達成した。冷水仕様では、従来機に比べて約25%省エネルギーのCOP6の製品を出荷した。製氷仕様では、従来機と比べて約40%省エネルギーのCOP4.6に達することを実証試験で確認した。本報では、開発構想、省エネルギー化の手法、高効率多段圧縮機の特長、試験結果等の概要を報告する。

産業廃棄物焼却熱回収ボイラ設備

 (株)ブリヂストン甘木工場向けに、タイヤ製造工場から発生する多種の産業廃棄物を燃料とする産業廃棄物焼却ボイラ設備を納入した。
本設備で燃焼した産業廃棄物のエネルギーは、ボイラで蒸気として熱回収され、タイヤ製造プロセスに利用される。また、不燃物として排出されたワイヤは鉄鋼原料、焼却灰はセメント原料としてそれぞれ回収される。
 本設備で焼却する産業廃棄物は多種多様であり、負荷変動が大きいため、酸素濃度、炉床温度を安定化させるための燃焼制御を採用した。その結果、排ガス性状に関してはいずれも公害防止基準を下回る良好なデータが得られ、竣工引き渡し後、順調に稼働している。