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エバラ時報 No.207

障壁を越えて

半導体製造関連製品小特集号2によせて —Back To the Future—

Cu/Low-k構造デバイスのCMP後洗浄プロセス開発

 超LSIデバイスでの高集積化、高速化要求に伴い、新材料であるCu配線とLow-k膜(低誘電率膜)を用いるCu/Low-kダマシン(埋め込み配線)プロセスが登場しているが、これら新材料によりCMP(Chemical Mechanical Planarization)後洗浄プロセス開発も困難に直面している。課題の一つは疎水性のLow-k膜上の残さである。我々はLow-k膜プロセス用に開発されたスラリー(研磨剤)と洗浄液を組み合わせてLow-k膜上での洗浄性能を評価し、最適なプロセスの開発を行った。更に最適プロセスをCu/Low-k構造のデバイス製造に適用して電気特性評価を実施し、本プロセスが実際の超LSIデバイス製造に適用可能であることを示した。

無電解キャップめっきプロセス(無電解めっきによるCu配線上へのCo合金薄膜の形成技術)

 ダマシンCu配線上に無電解めっきにより保護層となるコバルトの合金薄膜を形成する技術は、配線の信頼性を向上させるための最も有望な新規プロセスとして認識されつつある。本報では、次亜りん酸塩を還元剤とした無電解めっきプロセスの基礎及び技術課題を解説し、当社での研究・開発によって得られたプロセス性能の評価結果を報告する。膜厚の制御性、膜厚のウェーハ面内均一性、銅又は酸素の拡散に対する膜質のバリア性、膜表面のモフォロジ、成膜の選択性、配線の電気抵抗及びリーク電流等の性能指標について、良好な結果が得られ、本プロセスの実用性が確認された。

電子線を用いたウェーハ欠陥検査装置(EBeye)の開発(第1報)
—開発の背景と装置の原理(コンセプト)—

 欠陥検査装置は半導体チップの歩留まりをよくするために、欠かせない装置となっている。この目的のために、現状では、主に光方式の検査装置が多く使用されている。そのなかで、明視野方式は撮像した画像から欠陥を見つける方式であるが、最近の微細化されたチップの検査には分解能が不足している。このため、より分解能が高い検査装置である、走査電子顕微鏡(SEM)方式の欠陥検査装置が一部に使用されている。しかし、検査速度が明視野方式に比べて一桁遅い。当社では光方式の検査速度とSEM方式の分解能を併せもつ、電子線を用いた高速・高分解能検査装置(EBeye)を開発しており、その開発内容を解説する。

半導体等製造装置用排ガス処理装置の動向と当社の取り組み

 CVD、エッチング等各種半導体製造装置や液晶製造装置において、従来から温暖化ガス(PFCs:Perfluoro Compounds)が使用されていたが未処理であった。1997年12月の京都会議(COP3)を契機に、PFCsガスの処理も必須であるとの認識が高まり、各国、各地域とも、2010年までに削減率10%として温暖化対策への取り組みを開始した。その後、より温暖化係数の低い代替ガスへの転換、PFCsガス処理用排ガス処理装置の設置等、削減に向けた各種対応が進んでいる。こうした動向の中、今後のPFCsガスの処理と、PFCsガス以外(LED製造装置等)の処理も含め当社の取り組みについて記述する。

酸化膜CMP用光学式終点検出モニタ

 CMPの研磨中に膜厚変化をモニタして研磨終点を検出する技術はCMPの生産性向上のために必須である。従来終点検出が困難であった酸化膜CMP全般に適用できる光学式終点検出モニタを開発した。光源には多波長のハロゲンランプを採用し、研磨中の測定部位に純水を供給して光路を生成した。透明な光路の確保と多波長のメリットを生かしたデータ処理により、ノイズが少なく安定したモニタ信号が得られる。本装置のシステム構成やSTI、ILDプロセスへの適用事例について述べる。

Cu配線めっき装置

 1992年に半導体パッケージ用のバンプめっき装置を製品化するなど当社は半導体業界においては古くからめっき関連事業を手掛けている。前工程の銅配線用としては2000年に1号機をリリース、更に2004年7月には半導体テクノロジーノード90nm世代以降に対応できる配線めっき装置として「E☆REX」シリーズをリリースした。本装置はテクノロジーノードが進むにつれてますます微細分化する配線へのめっき埋め込み性能を満たすと同時にウエーハ面内の優れためっき膜均一性を維持するという課題に対して独自のハードウエアを開発することで対応した。その他にも多くの特長をもつ本装置の概容を紹介する。

バンプめっき装置

 当社は2001年に全自動形300mmウェーハ用バンプめっき装置UFP-300Aの第1号機を顧客に納入した。以来、米国を中心として、アジア及び国内の最先端半導体デバイスメーカにこの装置を納入してきた。本装置は品質の高いバンプ形成を行うことができ、量産性にも優れている。半導体デバイスの高速化及び高機能化への進行に伴い、更に多くの顧客へと採用が広がろうとしている。本報では、バンプめっきプロセスと当社が納入しているバンプめっき装置の特長を紹介する。

半導体デバイス用ウェーハベベル研磨装置

 半導体デバイス製造において、半導体ウェーハは数多くのプロセスを経て処理され、デバイスを形成する表面に対しては以前から細心の注意が払われてきていた。最近では歩留まり向上の観点から、ウェーハの裏面の清浄度向上に加え、ウェーハのベベル部に残留するダメージや物質を除去することが求められている。当社では、極めて高い清浄度が求められる半導体デバイス製造プロセスに適用できる研磨テープを使用したベベル研磨装置を開発した。本システムのコンセプトや特長、性能について紹介する。

ドライ真空ポンプの予知保全について

 半導体や液晶に使用される基板の高集積化及び大形化が進んできており基板1枚当りの単価も高くなってきている。そのため製造工程での安定稼働が重要な課題となる。今回、製造工程で使用されるドライ真空ポンプの突然停止を防止する故障予知システムを開発した。
 重負荷プロセスで使用されるドライ真空ポンプはポンプ内部への反応副生成物のたい積により停止する例が見られる。これを予知するためドライ真空ポンプの電流値の変化を監視し警報出力するようアルゴリズムを構築した。また故障予知計算とデータ蓄積のための故障予知用アダプタを新たに開発し、既存の集中監視システムに組み込み可能な故障予知システムとした。

耐食・耐摩耗性を備えた肉盛材料の開発

 海水を取り扱うポンプ等の流体機械において、耐食・耐摩耗性を要求される部位のみに所望の性能を有する材料を被覆することは、費用、補修等の面から有効な手段である。そこで、耐食性はステライトNo.21、硬さはコルモノイNo.6(Hv697)と同等の肉盛材料の開発を目標として、大同特殊鋼(株)が開発したCo基合金KV系粉末材料の製造技術と(株)荏原総合研究所が開発した耐すきま腐食合金クレバロイ((株)荏原製作所商標、代表成分:Ni-30%Cr-10%Mo)を組み合わせることを試みた。その結果VC:15%、Cr:35%、Mo:15%、残部Niからなる粉末材料を肉盛することにより、高硬度かつ耐食性に優れる被覆層を開発した。

マイクロブラシレスDCモータポンプの開発

 流量3L/min以下、全揚程10m以下の各種システム・装置に搭載できるコンパクトなブラシレスDCキャンドモータポンプを2種類開発した。このクラスのポンプは容積式とターボ式の両者が多数市販されているが、高効率、長寿命、低脈動、コンパクト、軽量を同時に満足する製品がなかった。ここでは、伝統的渦巻ポンプを最適寸法化することで前述コンセプトの実現を図るとともに、より小流量の用途向けにギヤポンプの開発を並行して行った。運転時間の長いコンパクトな装置・システムへの搭載に効果的である。燃料電池、ソーラ関連、各種冷却・熱回収システム、マイクロ空調などの市場を念頭に製品化を進める予定である。

休山トンネル換気設備への遠方監視制御システム導入

 呉峠をバイパスする休山トンネルは歩道を有する道路トンネルで、2002年3月に供用開始となった。換気設備は車両から排出される排気ガスによるトンネル内空気の汚染を防止するとともに、トンネル坑口から排気ガスのもれだしを抑制し地域への環境に配慮した設備、制御となっている。しかし、渋滞が激しく、トンネル内歩行者に対して車両による排ガスや騒音の環境改善が急務となっていた。今回、換気設備の対策工事として「換気制御の見直し」「遠方監視制御システムの導入」を行い、順調に稼動中であるのでその概要を報告する。

(株)ハイメカ工場建設(腕時計ムーブ部品工場)

 本工場は腕時計部品の表面処理設備を主とした精密部品工場である。建設にあたっては初期計画段階から「環境負荷が低減された工場」「省エネルギーに配慮した工場」「作業環境の良い工場」をコンセプトとして進められた。本報ではコンセプトとしてあげた設備のうち“表面処理排水の無排水システム”“表面処理室での成層空調方式”“めっき装置”について具体的内容を紹介する。

ペーパスラッジ(PS)及び廃タイヤ焼却炉発電設備

 製紙会社から排出され、再利用が困難なPS(ペーパスラッジ)と不法投棄によって社会問題化している廃タイヤを焼却し、焼却廃熱によって発電する設備である。PS及び廃タイヤの産業廃棄物だけで14000kWを発電する国内最大級の設備で熱効率、制御、運用面においても化石燃料並の優れたボイラ特性を有している。
 本設備は、既設発電設備と連系運転され、低公害性及び事業性の面からベースロードユニットとして運用されている。更に、工場定期検査時の既設発電設備の停止の際には、工場への保安電力の供給をも担っている。従来の廃棄物発電は脇役的存在であったが、事業性の大きい本設備の稼動は今後の廃棄物発電の方向性を示唆するものであることを確信する。