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エバラ時報 No.208

「知の構造化」のすすめ

電磁超音波共鳴法による2.25Cr-1Mo鋼のクリープ損傷評価(第2報)

 電磁超音波共鳴法(EMAR)を用いて、923Kで数種類の応力下において、2.25%Cr-1%Mo鋼のクリープ損傷を評価した。EMARは、電磁超音波トランスデューサ(EMAT)によって金属内にMHz帯域の共鳴を発生させる方法で、非接触で、材料の超音波減衰と音速を得ることができる。丸棒の試験片の円周方向に横波を伝搬させる軸対称SH波EMATを用いた。クリープ試験中の伸びと時間の関係に基づき、修正θ法と破断パラメータPαから破断寿命を推定し、試験終了時の寿命消費率を求めた。その結果、寿命消費率と減衰係数の間にはよい相関関係が認められた。光学顕微鏡、走査型及び透過型電子顕微鏡により、内部組織の変化を観察した。その結果、減衰係数は、クリープの進行に伴う転位組織の変化に反応して変化すること、更に、転位振動の弦モデルにより減衰係数と転位組織の関係が対応づけられることが分かった。この評価法が、クリープ損傷に伴う損傷評価や余寿命予測に使える可能性を示した。

給水補助加圧装置

 水道本管からの水を受水槽へためずに直接、加圧ポンプで加圧し、末端の給水器具へ供給する家庭用の水道直結形・給水補助加圧装置を開発した。戸建て住宅で水圧不足が懸念される2、3階の給水器具へ補助的に加圧することを目的とした(社)日本水道協会の認証登録品である。ポンプユニット部には、先に製品化した可変速形ホーム井戸ポンプを使用し、同様にインバータ駆動による推定末端圧力一定制御で省エネ・低騒音化を図っている。また、給水器具の使用を開始しても給水圧力が所定値以上に保たれる場合は、加圧ポンプは始動せず、加圧ポンプの吸込側と吐出し側を接続するバイパス流路を通し、水道本管の圧力による給水を行う。

高効率蒸気二重効用吸収冷凍機RFWシリーズ

 RFWシリーズは、高効率化の市場要求に合わせて開発した蒸気二重効用吸収冷凍機である。当社の最新技術を用いて開発したRFWシリーズは、定格運転時において世界最高技術レベルの蒸気消費率である3.5kg/(h・USRt)を達成しており、従来機種に比べて蒸気消費量を約20%削減することができた。
 制御盤は当社製新型ターボ冷凍機に採用しているシーケンサ搭載マイコン盤と液晶タッチパネル盤を採用し、ターボ冷凍機とGUI(Graphical User Interface)の統一を図るとともに、制御プログラムを新規設計することで、従来機種に比べ制御性、予防保全性等の機能を向上させた。

余剰汚泥の削減とりん回収を組み込んだ生物処理の実証試験プラント

 省エネルギー型廃水処理技術開発」プロジェクトの最終段階として「愛・地球博」会場内にて実証試験を実施している。実証試験プラントはNEDOとの共同研究として(1)オゾンを用いた汚泥減容化とりん回収を組み込んだ生物処理、(2)促進酸化を用いた高度処理、(3)オゾン酸化を用いた高度処理の三つのプロセスを組み合わせたものである。本報では、筆者らが担当しているオゾンを用いた汚泥減容化とりん回収を組み込んだ生物処理の処理原理及び実証試験プラントについて紹介する。

兵庫県立芸術文化センター太陽光発電システム(214kW)

 兵庫県西宮市に建設中の「兵庫県芸術文化センター」に系統連系型大規模太陽光発電システムを納入したので紹介する。
 産業用太陽光発電システムの建設容量は10~30kWが一般的であるが、今回は建設屋上部に160kW、壁面部に54kW、合計214kWの大規模太陽光発電システムを設置した。太陽電池で発電された電力は屋上で交流に変換され、地下の受電室内の防災・保安電力受電盤に接続され、センター内で消費される。
 また、本システムは系統連系タイプであるため、発電電力がセンター内の消費電力よりも大きい場合は電力会社に売電される。

バイオマス発電設備 —日本製紙(株)勿来工場ICFB—

 日本製紙(株)勿来工場に木屑廃材を主な燃料とした内部循環流動床ボイラ(ICFB)によるバイオマス発電設備を納入した。2003年4月に着工し、2004年8月末に予定どおり完成した。本設備は1ユニットで工場全体の電力とプロセス蒸気を賄うメインボイラであり、そのために高い信頼性と迅速な負荷追従性が要求された。本工場の製造工程で使用される電力や蒸気は、従来は自家用の重油ボイラとディーゼル発電機から供給されていたが、年間約34000kl消費されていた重油が本設備の稼動によりその約98%が削減され、それに伴い年間約10万トンの化石燃料に由来する二酸化炭素の削減が見込まれる。

ISO/IEC JTC1/SC7におけるソフトウェア品質評価技術の国際標準化活動の紹介

 近年、世界規模で進展しているIT(情報・通信技術)による産業・社会構造の変革(いわゆる「IT革命」)が進んでいる。社会活動や企業活動の基盤として、ITを活用した諸々のミッションクリティカルな社会システム、医療、金融、航空、原子力、企業システムなどが不可欠となっており、これらのシステムに組み込まれるソフトウェア品質の高度化に対する社会的な要請も増々大きくなっている。このような背景からISO/IEC JTC1/SC7では、1980年代初頭からハードウェアに比して未知の技術であったソフトウェア品質を評価するための技術の研究や標準化が進められている。本報では、現在、当社も参画している国際標準化活動の概要、最新動向及び標準化技術の重要性等について紹介する。