テクノロジー&サービス

最先端テクノロジー&サービス

エバラ時報 No.216

20年前,20年後

制御方式の異なる2種類の風力発電システムの過渡的性能

 風車は非一様で非定常性の強い風況下で稼動することが多く,風速は定常時にも絶えず変化しており,特に,風車始動時や停止時を含め,風車の出力急変時における各電気的諸量の過渡的挙動を把握しておくことは,風力発電システムの特性を全体的に評価するうえでも重要である。今回,非同期の巻線形誘導発電機を備えたピッチ翼可変速風車と,同じく非同期のかご形誘導発電機を備えたストール翼固定速風車の2種類の異なる出力制御を行うプロペラ形風車について,風車出力変化時における各諸量を測定し,過度的変化時の性能の挙動について検討を行った。その結果,風車出力変化時にそれぞれの出力制御方式により特長的な挙動を示すことが明らかとなった。

放射線グラフト重合法による機能性高分子材料の開発とその応用例

 放射線グラフト重合法は既存の高分子素材(基材)に,その形状を生かしながら,機能を付与できるので,分離機能性材料の製造方法として優れている。荏原グループは放射線グラフト重合技術の研究・開発に約20年の歴史を有し,空気浄化や水の浄化など様々な分野に用途開発を行い,製品化してきた。2000年には放射線グラフト重合素材の製造を生業とする(株)イー・シー・イーを設立し,外部にもグラフト製品の提案を開始した。

電解還元法による鉛汚染土壌の浄化技術

 重金属汚染土壌の処理法として,電解還元法を開発した。本法は,分級洗浄法で重金属が濃縮された細粒分汚染土壌スラリーを,電解還元設備に受け入れて処理するものである。これにより,汚染土壌を外部に搬出することなく,全量を現地で処理・埋め戻すことが可能となった。この技術はめっきの技術を応用したもので,スラリーのpHを下げて,更に,酸化還元電位を下げることにより,土壌中に存在する溶解しにくい重金属化合物を溶液中に溶解するとともに,電極に重金属を析出させる技術である。これにより,溶液の重金属溶解量の飽和を防ぎ,土壌からの効率良い重金属の除去が可能となった。現状は鉛汚染土壌を対象としている。

キルンストーカ式産業廃棄物焼却発電設備

 本施設は,(株)GE(大阪府堺市)に2004年9月に納入し,現在まで順調に稼動している。取扱う廃棄物は,汚泥,廃プラスチック類,木くず,紙くず,繊維くず,動植物性残渣,感染性医療廃棄物,廃酸・廃アルカリ,廃油,汚泥など多種多様で,物性や発熱量が異なるが,ロータリーキルンでバランスよく乾燥及び燃焼させ,後段のストーカ上と二次燃焼室で完全燃焼させている。また,燃焼排ガスが有する熱エネルギーは廃熱ボイラで蒸気として回収し,その蒸気はタービン発電機による265kWの発電と汚泥乾燥機,排ガス再加熱器の熱源に利用している。

全幅せきに関する国際規格の現状とISO/TC113/SC2ロンドン会議

 SO/TC113/SC2会議が2006年4月27,28日の両日ロンドンにおいて開かれた。この会議で薄刃せきを用いた開水路流量の測定に関する国際規格案(ISO/DIS1438-1)が審議されたが,この規格案では,大形ポンプの吐出し量測定に広く用いられている全幅せきについては,Rehbock式だけを規定して,現規格に規定のJIS式を含めた他の公式は削除されている。同式は,せき板高さ1m以上では,測定値に対し大きな差を示している。著者らは上記会議に出席して,せき板表面で発達する境界層の流量係数に及ぼす影響を説明しながら,せき高さ1m以上での適用のためのRehbock式の修正式を提案した。