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エバラ時報 No.220

品質指向ソフトウェアマネジメントのすすめ

可動式ガイドベーン型大型ポンプのハイドロ開発

 大型渦巻ポンプ用に,可動式ガイドベーン付きの遠心ポンプを開発した。このポンプはガイドベーン開度を変化させることにより,広い運転範囲に対して高い効率を保つことができる。インペラの翼形状の設計には三次元逆解法設計と流れ解析(CFD)を適用した。また,ガイドベーンとステーベーンの周方向の相対位置を最適化するため,インペラから吐出しボリュートまでの全体流れ解析を行った。モデル試験により,ガイドベーン開度を変えたときのポンプ性能,軸方向スラスト,半径方向スラスト,ガイドベーンアンバランストルクを測定し,実機ポンプ設計に必要なデータを得た。

大型立軸ポンプ及びポンプ場の連成振動解析

 ポンプの設計・計画段階において,ポンプの振動を予測し低減を検討することは重要である。有限要素法(FEM)による振動解析は振動予測及び共振回避を検討するために有効な手法である。大型立軸ポンプの基礎構造物の剛性が低い場合,ポンプの固有振動数が低下するだけでなく,設置された複数のポンプ間での相互干渉による振動増大や,ポンプ加振周波数と基礎構造物の固有振動数の一致による共振問題が発生する可能性が生じる。このような問題を精度よく予測し回避するために,ポンプと基礎構造物を連結したモデルによる連成振動解析が有効である。本手法を適用することで,基礎構造物の固有振動数とポンプの振動を精度よく予測すると共に,基礎構造物補強案の有効性を評価し,ポンプ設計及び基礎工事施工に反映させることを可能にした。

オゾンによる汚泥減容化を組み込んだ嫌気 —無酸素— 好気法におけるりんの挙動に関する研究

 オゾンによる汚泥減容化を組み込んだ活性汚泥処理プロセスにおける処理水りん濃度の低減を主目的として実験を行い,化学的りん除去工程との併用プロセスを検討した。実験の結果,嫌気—無酸素—好気法の生物処理とオゾン減容化は成立すること,りん蓄積細菌が増殖することが確認できた。嫌気槽ではりん放出量が十分にあり,しかもりん濃度が高いことから,化学的りん除去工程の原水として嫌気槽上澄液が合理的であると判断された。上記プロセスの嫌気槽の後段に「中間沈殿池+化学的りん除去」工程を組み込んだところ,汚泥減容化においても処理水りん濃度の低減が同時に可能となった。

エバラバリュースラッジシステム稼働実績報告

 汚泥再生処理センターの資源化技術として助燃剤化技術が認められたことを受け,助燃剤化施設に対応可能な低含水率脱水システムを開発した。本システムは,軸摺動型スクリュープレス脱水機,濃縮機,凝集反応槽の三部構成となっており,新型脱水機を用いることで汚泥含水率を最大70%以下まで低下できることが特長である。従来,スクリュープレス脱水機では汚泥含水率の極端な低下時に脱水機内部に汚泥が閉塞するトラブルが発生していたが,新型脱水機はスクリュー軸駆動装置に軸スライド機構を搭載しており汚泥の閉塞トラブルの回避を可能とした。現在までに5物件の納入実績がありすべての物件で目標の脱水汚泥含水率70%以下を達成している。

「腐食防食講座 —海水ポンプの腐食と対策技術—」
第1報:腐食の基礎と海水腐食の特徴

 本号から5回(①~⑤)の予定で,「腐食防食講座」を連載し,海水腐食の特徴,海水ポンプに発生する各種形態の腐食の機構及び事例を解説すると共に,荏原が行った海水腐食の研究及び耐食材料・防食技術の開発を紹介する。①腐食の基礎と海水腐食の特徴,②海水腐食に及ぼす流れの影響,③異種金属接触腐食とカソード防食,④腐食防食解析技術,⑤ステンレス鋼及びニレジスト鋳鉄の腐食と対策技術。本号では,腐食のメカニズム,海水の性状及び海水腐食の特徴を述べる。海水は溶存酸素を飽和する中性水溶液であり,塩化物を中心とする無機塩類を多量に含んでいる,このため電気伝導度が高い。これら海水性状の特徴と海水腐食の関係を説明する。