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エバラ時報 No.221

産学連携に期待すること

3次元逆解放と流れ解析によるクライオジェニックポンプインデューサの開発

 インデューサと主羽根車並びにディフューザからなる液化天然ガス用クライオジェニックポンプを開発した。ポンプの高吸込性能化にはインデューサの設計が非常に重要である。本研究ではインデューサの設計に3次元逆解法を適用し,インデューサの負荷分布をコントロールすることによってインデューサの高吸込性能化を試みた。インデューサ並びにポンプの性能と内部流れは流れ解析によって評価した。また,ポンプの吸込性能はRayleigh-Plessetキャビテーションモデルを用いて評価した。このように3次元逆解法と流れ解析を用いて設計したインデューサをポンプに設置し水試験により実証実験を行った。その結果,従来の同形式ポンプよりも良好な吸込性能を得ることができた。インデューサの子午面形状の影響や羽根高さ方向の仕事分布などもキャビテーション流れ解析により評価した。キャビテーション流れ解析により予測された吸込性能は,実験結果と良好な一致を示した。

ユニット型純水製造装置

 この純水製造装置は,純水ユニットを中心に前段のプレシステム,後段のサブシステムの三つのユニットから成り,原水や製造する純水の仕様に応じて組み合わせ使用する。純水ユニットの中核となるのがGDIである。GDIはイオン交換体に放射線グラフト重合によるイオン交換不織布を採用した脱塩装置で,イオン交換樹脂を充填した場合に比べ,その表面が格段に大きいことから,装置の小型化と効率的な運転が可能となる。

鬼怒川上流ダム群連携事業ポンプ設備工事

 ダムのネットワーク化により,水資源を有効活用するという新しいプロジェクトが発足した。ダム連携とは特性の異なる二つのダムを導水路で連絡し水の相互融通を行うもので,当社は事業の中核となる導水ポンプ設備と返送設備を納入した。導水ポンプ設備は地下トンネル内に収められており,大型の立軸ポンプが二つの立坑内にそれぞれ1台づつ設置されている。返送設備はダムの水位変動に追従して表層取水が可能なヒンジフロート式が採用され,フロート底部に収納されたポンプとの併用で自然流下やポンプ返送が可能である。返送制御はトンネルやゲートの水圧にかかわる制約のほか,季節ごとにダム水位が大幅に変わり時間的な制約も受けるなかで,実水位による調整を無事完了させた。

遠心ポンプの振動流体現象とロータダイナミクス

 遠心ポンプは密度の大きい流体を輸送するターボ機械であるがゆえ,特有の流体関連振動に関係するトラブルが生じるケースがある。このトラブルの多くは,オフデザイン運転(小流量運転や低NPSH運転など)状態下で発生する非定常流体加振力や狭い隙間流れの不安定化力などに起因する。また,これらのトラブル発生の背景には,流体の作動状態に関連した回転軸系の減衰特性の悪化が関与していることが多い。そこで,ポンプに絡む流体関連振動についてのトラブル事例と,その対策例,関連する研究事例について整理した。

「腐食防食講座 —海水ポンプの腐食と対策技術—」
第2報:海水腐食に及ぼす流れの影響

 海水腐食に及ぼす流れの影響について解説する。海水の流れは,材料・流体相互の電気化学的反応に影響を与えて材料の腐食を促進すると共に,流速が高い領域では材料表面の酸化物皮膜や材料自体に対して機械的な作用を及ぼし,エロージョン・コロージョンあるいはエロージョンによる損傷をもたらす。ここでは,腐食及びエロージョン・コロージョンを中心に解説し,エロージョンについては簡単な記述に留める。また,ポンプは一般配管と異なり,内部の流速は均一ではない。海水ポンプ内部では,流速の不均一が原因となってマクロな電池(マクロセル)を形成し「流速差腐食」を発生することがある。流速差腐食についても解説する。