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エバラ時報 No.224

これからの人材とその育成

超高効率ターボ冷却機の開発

 ターボ冷凍機の効率は,従来技術の延長では理論的に限界に近いため,高効率化技術として,(1)二重冷凍サイクル及び伝熱機器(2)ギアレス高効率圧縮機(3)インバータ駆動高速モータを開発し,これらの技術を搭載した超高効率ターボ冷凍機を作製した。その実機にて伝熱機器,圧縮機,モータ,インバータ等の評価・改良試験を行った結果,定格点における目標値COP=7.0を達成した。超高効率ターボ冷凍機の温度特性,部分負荷特性,制御特性なども優位な結果を得た。そこで,本開発機を本年度市場投入する。

実証プラントを用いたりん回収を組み込んだオゾンによる汚泥減容化の検証

 汚泥減容化においては,オゾン処理により汚泥が溶解し生成した有機物,窒素が生物処理に流入し生物処理の負荷が増加することから,現存する生物処理設備にオゾン処理を付加する場合,酸素供給量が不足することもあり得る。
 筆者らは,オゾン処理後の排出ガスは大部分が酸素であることに注目し,この排出ガスを酸素源として汚泥減量化型の生物処理プロセス(嫌気—無酸素—好気法)の開発を行った。更に,嫌気槽の上澄液を原水としたりん酸ヒドロキシアパタイト(HAP)によるりん回収工程を付加した。このプラントを愛知万博会場に設置し,処理性能の評価を行った。

CMP装置用トップリングai head GIIIの開発

 ai head GIIIは,CMP装置用新型トップリングである。トップリングは研磨ヘッドとも呼ばれ,CMP装置の研磨性能を左右する最も重要な要素であり,常に改善と開発が求められている。ai head GIIIは,研磨性能の向上だけでなく,消耗部材の低コスト化やメンテナンス性の改善など,半導体デバイスの生産性にも留意し,開発を行った。

泡盛蒸留粕メタン発酵設備

 菊之露酒造では,最大15t/dの泡盛蒸留粕が発生し,これまでは肥料や飼料などとして利用されてきた。しかしこれらの利用は,天候や利用先の事情によって受け入れが左右されるため,新たに安定した処理方法が求められていた。
 一方で工場内においては,ビン詰め工程等で多量の蒸気を使用しており,その燃料として重油の消費量がかさんでいた。これら二つの問題点を解決するため,メタン発酵によって蒸留粕からエネルギーを回収し,再利用する設備を新設した。

「腐食防食講座 —海水ポンプの腐食と対策技術—」
第5報:ステンレス鋼及びニレジスト鋳鉄の腐食と対策技術

 ステンレス鋼は表面の不働態皮膜によって耐食性が維持されるが,不働態皮膜は塩化物イオンの存在によって破壊され,すきま腐食,孔食,応力腐食割れなどの局部腐食を発生することがある。ステンレス鋼の特性,腐食事例及び対策技術を述べる。ニレジスト鋳鉄は,普通鋳鉄と比べて均一腐食速度が低い,孔食・すきま腐食を発生しないという特長があるが,応力腐食割れ感受性をもつことが欠点である。ニレジスト鋳鉄の応力腐食割れの機構,挙動及び対策技術を述べる。最近,腐食性の高い海域やプロセスで使用される海水ポンプで,2相ステンレス鋼の採用例が増えている。最後に,中東海域で行った各種2相ステンレス鋼の腐食実験及び海水ポンプへの適用事例を紹介する。