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エバラ時報 No.225

高温腐食 —持続的社会への必須分野—

ポンプの省エネルギーの動向

 地球温暖化への懸念から,地球環境保護のため,我が国に限らず,世界の多くの国において,エネルギー消費の抑制と対策が検討されている。省エネルギーは,人類が多くの現代文明を享受しつつ,原始の状態への逆戻りを抑止する有効な方法である。EUにおいてポンプの省エネルギー対策として先進的な試みがなされ効果を挙げている。我が国においても,ポンプの消費エネルギーは無視できない大きさであり,一層の実行ある施策が必要である。ポンプの省エネルギー対策としては最適なポンプシステム設計とポンプ羽根車外径加工,回転速度制御等による最適設計が有効である。

上水道向けポンプ設備の省エネルギー技術

 水道事業で消費されるエネルギーの9割をポンプが占めている。ポンプや電動機の機械効率を上げる技術は限界に近く成果は期待できない。一方,運転制御や送水システム全体の運用方法には工夫の余地が残されている。
 省エネルギーに繋がる運転制御システムを紹介するとともに老朽化した設備の更新に合わせた抜本的な見直しによって地球温暖化対策に貢献できる手法を提案する。

給水装置における省エネルギーの変遷と今後の動向

 高層ビルや集合住宅等で使用される給水装置では,様々な給水方式が採用されている。
 これら各種の給水方式にて消費電力試算を行った結果,「増圧給水方式/推定末端圧力一定制御/PMSM駆動」方式が現在主流の方式に比較し,約70%の省エネルギーになる結果となった。しかし,給水装置は殆どの時間,定格よりも大幅に小さい水量で運転されているため,定格の小さいポンプを複数台並列設置し,運転する台数を制御することで更に省エネルギーを図ることが可能である。この場合,ポンプの機種と台数を最適化するため,給水装置が使用される建物の特徴と瞬時最大水量及び給水パターンとの関係を明らかにしていくことが重要な課題となる。

流体過渡現象解析プログラム(TRAPⅢ)による軸流ポンプ始動トルク特性のシミュレーション

 軸流ポンプ始動時のトルク特性について,吐出し配管の充水状態変化に伴う運転点移行に着目しモデルケースの解析による数値的なケーススタディと実機場データとの比較検討を行った。解析では自社製の流体過渡現象解析プログラム(当社略称TRAPⅢ)によって現象を再現し,その有効性を確認するとともに軸流ポンプの始動トルク特性を評価する方法として期待できる結果を得た。

DBO方式により建設した次世代ストーカ焼却施設の運転状況

 近年,都市ごみ処理施設において,建設と運営を一体の事業とすることで,民間の能力を生かし,事業コストの削減と質の高いサービスの両立を目指す,DBO方式が事業形態の主流の一つとなっている。当社は,このDBO方式(運営期間20年間)により請負った事業において,次世代ストーカ技術を組み込んだ最新鋭の施設を建設した。このほど運転を開始し,その初期性能を確認した。本施設は排ガス再循環,強制空冷火格子を中核とした次世代型のストーカ炉を導入している。排ガス再循環によって,低空気比運転,排ガス量の低減,熱回収率の向上を図り,また,その窒素酸化物の低減効果から,触媒脱硝を用いることなく,低い窒素酸化物の基準値を達成している。

ポンプ用電磁両立性(EMC)試験設備

 当社は,大出力のポンプ及び給水装置を実負荷運転状態で試験可能なEMC試験設備を導入した。
 本試験設備のシールドルームは,水の使用を考慮した設計となっており,外部試験機関にはないポンプ運転設備を備え,大型の供試体にも対応可能な広さを確保している。更に,電源設備及びEMC試験装置は,大電流容量機器や海外向け製品に対するEMC試験にも対応可能である。

大気圧ターボ分子ポンプの開発

 ターボ分子ポンプ(TMP)は半導体・液晶製造装置やSEM等の検査装置に広く使用されているが,タービン翼が真空中で高速回転することで超高真空を達成する回転機械式であることから,補助ポンプの大気圧からのバックアップ運転を必要としていた。この補助ポンプなしの単独運転を可能とするには,TMPの圧縮性能を飛躍的に向上させる必要がある。このため,薄型多段セラミックス遠心翼による翼クリアランスの極小化,動圧軸受及びセンサレス磁気軸受等の開発を実施し,完全オイルフリーの小型の「大気圧ターボ分子ポンプ」を完成させた。