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エバラ時報 No.227

環境問題と生き方・行き方

下水処理分野における晶析技術を利用したりん回収

 筆者らは,下水からりんを除去するとともに,除去したりんを資源として有効利用できるりん回収プロセスの開発を行った。下水処理過程で発生する排水や汚泥の特性(含有成分,濃度,水量等)を考慮して五つの処理プロセスを開発した。りん酸マグネシウムアンモニウム(MAP)の晶析現象を利用した二つの処理プロセスは,実証試験においてりん回収率90%以上を達成でき,また,回収したりんを肥料として利用できることから,これらのプロセスが実用的であることを実証した。ヒドロキシアパタイト(HAP)の晶析現象を利用した三つの処理プロセスは,実証試験でりん濃度を数mg/Lまで低下でき,また,回収したHAPはりん鉱石の代替としての利用を検討している。いずれの処理プロセスも,水系の環境問題の解決と資源回収の両面を満足できることを明らかにした。

直列多段型増圧直結給水装置の開発

 東京都水道局に認可された高層建物向けの直列多段型増圧直結給水装置を開発した。本製品では,給水圧力変動の抑制効果やメンテナンスの容易性から,2台の増圧給水設備を通信線で接続して給水状況に合わせた連携運転を行う通信方式を採用している。

ドライ真空ポンプ EV-S型シリーズ

 近年,半導体や液晶パネル製造工場において環境負荷の低減が活発化している。ドライ真空ポンプに対して,ユーティリティ(電力,冷却水,窒素)のコスト削減やポンプの設置スペース削減の要求が増えており,ポンプの総合的なランニングコスト削減が重要な課題である。当社では従来から製造販売してきた製品に対して,更なる省ユーティリティ化と省フットプリント化を実現したドライ真空ポンプを開発した。圧縮動力の削減とモータ効率の向上により消費電力を低減し,大幅な省ユーティリティ化を実現した。また,ポンプモジュールの小型化と計装品のレイアウト改善によりポンプを省フットプリント化した。

省電力ドライ真空ポンプへの置き換え提案活動

 現在,地球規模で温暖化対策に取り組むなか,環境対策にビジネスを見出す動きが加速してきた。当社も,半導体製造工程に納めているドライ真空ポンプの消費エネルギーを調査し,消費エネルギー量が多い旧型ドライ真空ポンプを最新の省電力ドライ真空ポンプへ置き換える活動を開始した。

富津事業所新工場の概要

 富津事業所は,当社の大型・高圧カスタムポンプ製品の主力生産工場であった羽田工場の移転を背景に,将来にわたる風水力事業の主要拠点として千葉県富津市に建設された。新工場は羽田工場と同等の生産能力を有するとともに,コストダウンや製品生産リードタイムの半減を実現し,高付加価値をもつ競争力の高い製品を生産する工場として計画され,100000m2の敷地を活用する建築配置と工場内の生産動線及び設備配置を実施し,計画から約2年の短期間で完成した。