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エバラ時報 No.237

時報こと始め−先人は何を伝えたかったのか?−

研究開発 温故知新・Next100
EOI(Ebara Open Innovation)とは

荏原100年技術概史-第Ⅰ部-

荏原100年技術概史-第Ⅱ部-

ターボ機械流れの最適化技術の変遷と将来

 ターボ機械の流体エンジニアリング技術の更なる高度化には,「解析技術」と「設計技術」の両者におけるブレークスルーが重要である。計算科学と高速計算機の進展により,流体解析に代表される「解析技術」は,着実かつ劇的な進化を果たしている。一方,線図設計に代表される2次元理論の限界が顕在化した「設計技術」については,流体パラメータに基づき3次元の羽根形状を生成する3次元逆解法理論を実用化し,さらには,その多目的・複合領域最適化技術への応用展開を継続している。産学官連携による基盤技術の強化と,情報・コミュニケーション技術の進歩を取り込むことで,流体エンジニアリング技術の革新を継続していきたい。

高効率プレス製羽根車の開発

 ステンレスプレス製羽根車は量産効果が大きいために比較的小型のポンプに多数採用されている。一方で,その設計は一般的な鋳物製羽根車の形状をプレス成形可能な形状に近似したものであるために,従来から設計されてきた羽根車形状との差異はないと言える。
 当社ではステンレスプレス製羽根車の性能・効率改善のため,従来の常識にとらわれないS字形子午面形状の羽根車を,逆解法を応用した翼面形状,及び数値解析を活用した諸パラメータの絞込みを行い開発した。比速度120~280(min-1,m3,/min,m)をターゲットに開発した羽根車は,従来の羽根車と同一ケーシングで性能比較を行い,従来比約0.5~14%のポンプ効率改善を検証した。

固形廃棄物処理市場の今後の技術動向

 我が国における固形廃棄物処理は,明治になって公衆衛生強化のために始まり,焼却が義務付けられた。法整備と国庫補助の開始により1963年以降本格的に機械炉の導入が行われ,公害問題やダイオキシン類問題に対応するため,排ガス処理技術も高度化されてきた。更に,低炭素社会や資源循環型社会に資するよう高効率発電技術や焼却残渣溶融技術が開発され,機械炉に加えて流動床炉やガス化溶融炉が開発導入されてきた。近年は,民間活力の導入も推進され,安全で安定した廃棄物処理を,効率的に実施するトータル技術サービスが求められており,特にエネルギーの有効活用が問われている。

プロセスガス遠心圧縮機の設計・製造の技術革新

 エリオット・グループのプロセスガス遠心圧縮機は,石油精製,石油化学,オイル&ガスや液化天然ガス等の生産に使用され,その多様化する市場に貢献している。そこでは,圧縮機の性能及び信頼性向上に加えて,短納期で機器を納入するというお客様からの要求が高まってきており,それらに応えるために,新シリーズ圧縮機を開発し,1990年後半から市場投入をしてきた。その開発コンセプトは,幅広い実績をもとに体系的に再統合した新シリーズ圧縮機であるが,圧縮機構成要素を最新の市場ニーズにマッチするように新展開を図るとともに,製造法においても鋳造,溶接主体から機械加工を中心とした生産革新に意欲的に取り組んだ。

新型CMP装置 F-REX300X型

 CMP装置は半導体デバイスの多層配線を形成する際に,各層を平坦化するプロセスで使用される。これまで半導体デバイスは高速化・高集積化のため,微細化を進めてきた。
 半導体デバイスを構成する材料や製造プロセスは最先端技術を追及する中で多様化し,それに伴い半導体製造装置には,多様なプロセス条件に対応する柔軟性が求められるようになってきた。今回当社は,搬送機構と洗浄機構を新たに開発し,長年のCMP事業を通して培った技術と融合させて新CMP装置F-REX300X型を開発した。本装置は研磨プロセスに対する優れた柔軟性と高い生産性の両立を実現したことで,最先端プロセスの厳しい要求に応えることができるCMP装置である。

既設コンクリートケーシングを用いたポンプの排水能力アップ
(三領排水機場ポンプ設備更新工事)

 本報は建設から40年余りを経過した三領排水機場の更新工事に関するものである。
 既設ケーシングの継続使用,ポンプ排水量の増量,羽根車形式の変更という制約にもかかわらず,約5%の効率向上を実現した。
 現地工事において重要な据付面レベルの調整には新工法を採用した。これまで非出水期の6箇月では不可能と考えられていたコンクリートケーシング製立軸渦巻ポンプの更新工事を,ケーシングの継続使用により無事達成した。
 今後の超大型排水機場更新における一指針を与えるものである。

全長88 mの立軸ポンプの納入
−ラスベガス向け水道用取水ポンプ−

 米国ラスベガス向けに2009年に納入した立軸斜流ポンプの全長88mは,当社の大型ポンプの納入実績の中でも最長であり,その設計には多くの技術検討が要求された。寸法誤差の累積やシャフトの伸びによる長さ方向の寸法誤差管理の難しさ,起動時の水中軸受のドライ運転状態,振動問題等の技術的課題に対し,立軸ポンプの豊富な製造実績に基づく検討と,解析による検証作業により問題の解決を図った。また,長大なポンプを効率良く据付けるための作業の簡略化,クレーン容量に対応したポンプの軽量化などにも配慮した設計としており,既に現地での据付が終了し,商業運転されている。

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