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エバラ時報 No.239

「グローバルエンジニア」への期待

復水脱塩装置における有機性不純物低減技術の開発

 近年の原子力発電プラントでは,原子炉や蒸気発生器の材料の応力腐食割れなどを防ぐために,これらの水質をより高純度に維持することが求められている。特に,復水脱塩装置で使用しているカチオン樹脂から酸化劣化によって溶出する硫酸イオンの低減が重要である。
 最近では,耐酸化性に優れた架橋度が14%の均一粒径ゲル型カチオン樹脂が開発され,複数のプラントに適用されている。水質の更なる高純度化を目指して,カチオン樹脂オーバーレイ等の復水脱塩装置内の樹脂の配置法を改善する方法を考案し,コールドカラム試験を実施した。
 また,カチオン樹脂溶出有機物の除去能力の高いアニオン樹脂を開発し,コールドカラム試験を実施した。

ポンプ専用多機能可変速ドライバ

 ポンプの省エネルギー化をユーザが積極的かつ容易に実現することを可能としたポンプ専用多機能可変速ドライバ(EVFC型)を開発した。
 EVFC型は,誘導モータ及び高効率な永久磁石同期モータの両方を可変速運転できるモータドライブ機能だけでなく,これまで当社が培ってきたポンプの圧力・流量制御をはじめとした最適制御や複数台連携運転機能,ポンプ保護機能を多数搭載した。
 その結果,EVFC型はポンプの省エネルギー化だけでなく,アプリケーションに適した制御運転と保護をユーザに提供することができる。

多機能型可変速給水装置用コントローラ EIPC型

 海外各地域の市場要求に適合する給水装置と,その構成部品の現地調達を実現することをコンセプトとする多機能型可変速給水装置用コントローラEIPC型を開発した。
 最大6台までのポンプとその制御方式を柔軟に選択できるようにしたので,多様な要求仕様に合わせて最適な給水装置が構成できる。また,EIPC型は各メーカの主要なインバータ機種と組合せ可能であり,海外各地域での給水装置構成部品の現地調達率向上を図っている。給水装置の構成部品の内,ポンプ停止判定条件の給水流量(=小流量)を検知できるフロースイッチレス方式を採用してメンテナンスフリー化したことや,給水ポンプシステムの詳細な運転情報を上位監視装置,通報装置へ伝送する通信機能を備えたことで,海外各地域での給水装置の維持管理を容易にした。

ドライ真空ポンプ EV-A10型

 ドライ真空ポンプは,半導体・液晶・太陽電池等のハイテク製品の製造ラインに多数用いられている。近年はこれに加えて,油回転ポンプが利用されてきた機械部品・金属製造,食品製造,理化学機器などの幅広い産業分野においても,作業環境の改善,稼働率の向上あるいはメンテナンス頻度の低減等を目的として,真空ポンプのドライ化が徐々に進んでいる。
 EV-A10型は,強制空冷方式の採用,大気側排気速度の維持,及び凝縮性ガスへの対応等を図ることによって,上述のような幅広い用途での使用を可能にしたドライ真空ポンプである。

「エバグロースU-700」シリーズによる汚泥脱水性能の向上
−脱水ケーキ含水率改善と汚泥処理運転改善−

 水ing㈱の薬品「エバグロースU-700」シリーズは生分解性のセルロース系原料を主成分とする繊維長さ5又は10mmの短繊維状の脱水助剤である。
 近年の生活様式の多様化や汚泥処理方式の変化によって,有機高分子凝集剤の単独処理では効率的な脱水処理が難しい場合が多い。
 松本市宮渕浄化センターでの下水消化汚泥を対象とした長期試験などの実証試験で,汚泥脱水時に「エバグロースU-700」シリーズを高分子凝集剤と併用し,汚泥の固形物あたり1~4%添加することで,①脱水ケーキ含水率の低減に伴う搬出量の削減,②汚泥処理量の増加など運転効率の改善効果が得られた。