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エバラ時報 No.240

グローバル化と国際規格

維強化型複合材料によるキャビテーション損傷補修技術の確立

 浄水場や発電所などの重要施設において,ポンプは,長期間の使用に耐えるため,定期的な保守管理のもとで運用されている。近年では比較的軽微な損傷の補修には,施工性に優れた樹脂系補修材料が用いられることが多く,用途に応じて様々な材料が販売されている。樹脂系補修材料の評価項目としては,施工性,耐水性,耐薬品性,耐キャビテーション壊食性,耐摩耗性,接着力が挙げられるが,メーカのカタログ情報だけでは十分ではなく,特に耐キャビテーション壊食性は定量的に評価されていない。そこで実際の補修現場で使用されている樹脂系補修材料の耐キャビテーション壊食性を評価した結果,ガラス繊維強化プラスチックが優れた結果を示した。

プレミアム効率(IE3)モータ搭載 省エネルギー形陸上ポンプ

 プレミアム効率モータを搭載し,ポンプ部分の効率も改善した省エネルギー形陸上ポンプのLPS-E型,LPD-E型,FSD-E型を開発した。これらのポンプはいずれもプレミアム効率モータを搭載した省エネルギー形標準ポンプシリーズの“Save Energy Pumpシリーズ”の一つである。高効率ハイドロとプレミアム効率モータを組み合わせることで従来製品よりも総合効率が向上し,省エネルギーに貢献できる。併せて発錆対策や安全性の向上などの対策を講じた。また,取付寸法など従来機種との互換性を維持している。

燃焼式排ガス処理装置G5-Dual型

 燃焼式排ガス処理装置G5-Dual型は,装置内に2系統の排ガス処理系統を搭載していることを特長とした製品である。排ガス処理運転を停止することなくメンテナンスや修繕作業を実施することができるためダウンタイムを大幅に削減することができ,2系統を同時に運転させれば大風量の排ガス処理にも対応することができる。また,排ガス流入ポートも最大12ポートまで設置可能としており,近年の半導体等の製造装置における多チャンバ化の流れにも対応した仕様となっている。

よみがえれ越後平野
(新川河口排水機場ポンプ設備更新工事−第1報)

 新川河口排水機場は新潟市の西蒲原地区に建設された国内最大の排水機場の一つである。常時海水にさらされる過酷な環境のため腐食が著しく,建設から約40年が経過して施設の更新が必要となった。機場の排水機能を維持しながら非出水期の限られた期間内で,コンクリートケーシング構造の超大型ポンプを毎年1台更新する極めて難度の高い工事となったが,荏原の更新工事ノウハウを結集して順調に進められている。本工事では現地据付工事の工程を円滑に進めるために維持管理作業の改善に着目し,様々な工夫やアイデアが採用されている。
 本報では第1報として同排水機場の特徴と更新工事の設計的な要点を報告する。

排水機場更新工事における流れ解析の適用
(糠田排水機場ポンプ設備改修工事におけるポンプ吸水槽渦対策)

 排水機場の更新に当たり機場総排水量の増量によってポンプ吸水槽に有害な渦発生が予想されたので,流れ解析によって渦対策検討を行った。流れ解析では遊水池を解析対象に含めることで渦対策形状の最適化を図り,さらに模型水槽試験によって有効性を確認した。
 本検討で考案した渦対策形状は既設土木形状への負担が小さく,施工期間も短縮できることから,更新工事における渦検討として画期的な成果を得ることができた。将来的に流れ解析だけでポンプ吸水槽の渦検討を行うことが期待されており,本検討はベンチマークとして今後の渦検討の高度化に寄与するものである。

インド初の風洞実験施設

 インド国内の日系企業に設備設計と機器供給を主体のEPS(Engineering, Procurement and Supply)契約で環境風洞を初めて納入した。建物と計測装置・空調機器・現地工事を除いた空力風洞・環境設備全体に関する設計及び機器供給が納入範囲である。風洞は運転効率の高いゲッチンゲン型風洞とし,ノズル吹出し口は測定対象物の周囲を流れる気流が必要にして十分な状態となるように隅切り形の縮流ノズルとした。隅切り形の縮流ノズルを採用することによって,当社が納入してきた従来のゲッチンゲン型風洞に比べ25%以上の動力低減効果が見られた。また近年納入した風洞での実績と各部の設計改良で,主ノズル風速比で4%以上能力アップした結果が得られた。今回納入の設備能力を縮流ノズルの出口最大風速で示すと,主ノズル寸法W2.9m×H2.2mで136km/h,第二ノズルW2.05m×H2.05mで171km/hである。