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エバラ時報 No.243

2つの極端

TIF型炉による次世代型流動床ごみ焼却技術

 旋回流型流動床焼却炉(TIF:Twininterchangingfluidized-bed)は,1984年に市場投入された当社のオリジナル技術であり,現時点で国内71施設,海外31施設が稼働中である。
 2013年9月末に竣工した平塚市環境事業センターは,当社としては8年ぶりのTIF型炉の納入となったが,その間に納入してきた流動床ガス化溶融炉の経験に裏打ちされた低空気比運転,高効率発電等の最新技術が適用されているため,次世代型流動床ごみ焼却施設として大幅に性能が向上している。
 本報では,次世代型流動床ごみ焼却技術の特長について,平塚市環境事業センターの運転実績を交えて解説するとともに,今後の流動床ごみ焼却技術の展望について述べる。

下水からのリン回収と高効率脱水処理~自立採算型リン回収プロセスを目指して~

 リン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)粒子は下水消化汚泥中に存在し,脱水ケーキとともに廃棄されているが,回収できれば肥料又は肥料原料として再利用が可能な物質である。本研究では実証規模のMAP分離実験とパイロット規模の高効率MAP回収脱水試験を行った。実験結果から,嫌気性消化処理を採用する下水処理施設に対して本プロセスを導入することによって下水汚泥中のリンの約50%をMAPとして回収しつつ,汚泥脱水性を大幅に高めることが可能となり,維持管理コスト削減分で本プロセス導入費用を賄える可能性を見出した。

真空式汚水収集システムの高機能化とその効果

 真空式下水道システムは1990年に国内で初めて採用されて以来,全国各地,多くの地区で稼働中である。本システムで最も古い施設は既に24年を経過しており,今後多くの施設が更新時期を迎える。そのため,適時・適切な修繕と更新により,施設の長寿命化を進めていくことが求められ,ストックマネジメント手法が導入されてきている。当社は本システムの構成機器である(1)真空弁ユニット(2)真空ポンプ(3)真空弁ユニット故障監視装置の更新において,高機能化を実現した。これによって,システムの互換性を確保しながら格段に優れた性能を実現し,更新時期を迎えた古いシステムにおいても最新のシステムと同等の安定したシステムとすることが可能となった。

空港北トンネル他非常用設備改修工事

 空港北トンネル他非常用設備改修工事は,トンネルを運用しながらの工事で,通行規制は夜間に行う条件であった。作業時間に制約を受けかつ,トンネル非常用設備としての機能を維持させながらの難工事であったが,作業方法,安全対策等の検討を行い工事を完了させた。

日射試験設備

 屋外設置の給水装置に対して,太陽光を模擬したランプ光を照射して,日射の影響を再現できる日射試験装置,及び周囲温度を制御する恒温室を導入した。恒温室は,比較的大型の給水装置を容易に搬入・据付けできる広さを確保し,ポンプ運転設備,及び海外向け製品にも対応可能な電源設備を備えたポンプ実負荷運転が可能な試験設備である。

平塚市向け「次期環境事業センター整備・運営事業」の竣工と運営事業の開始

 平塚市及び大磯町,二宮町のごみ処理を担う流動床焼却施設「平塚市環境事業センター」を納入した。315t/dの処理能力を有し,最新型施設として高効率発電,焼却残渣の全量リサイクル,高度排ガス処理設備を備えた循環型社会に対応した施設となる。本施設は,2010年5月に設計及び施工,運営を一括発注するDBO方式で受注し,2013年9月に竣工した後,10月からは,事業コストの削減と高品質のサービスの提供の両立を目指した20年間の運用を開始した。