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エバラ時報 No.253

集積回路システムの「進化と多様化」への挑戦

縁の下の力持ち ドライ真空ポンプ -真空と真空技術の利用-

 今や私達の生活に欠かすことのできないスマートフォン・パソコンなどの電子機器をはじめ,民生・産業用製品製造における様々な分野で真空技術を利用した製品が世の中に多く存在します。その真空技術を利用するために「真空」をつくり出す機器が真空ポンプです。真空の定義,性質及びそれを利用した身近な技術・製品について説明し,当社が製造・販売しているドライ真空ポンプを紹介します。

ドライ真空ポンプEV-L型

 半導体製造工程の各工程で真空ポンプが排気するガスの物性は様々であり,ポンプ内部の腐食やポンプ内部での反応副生成物の固形化が懸念される工程もある。当社では,ドライ真空ポンプの耐プロセス性能と省エネルギー化を追求してきており,軽負荷工程向けのEV-S 型,中~重負荷工程向けのEV-M 型をリリースしてきたが,環境性能への要求は年々増しており,中~重負荷工程においても更なる省エネルギー化が要求されている。そこで当社はユーザの要求に応えるために,中負荷工程を重点とした耐プロセス性能と,更なる省エネルギー化の両立を実現する新型ポンプ EV-L 型を開発した。本稿ではEV-L 型の仕様,特長,性能について述べていく。

流動床焼却施設の性能とポテンシャル

 当社独自技術である無破砕型流動床焼却施設の基幹的設備改良工事において,緩慢燃焼方式や排ガス再循環による低空気比燃焼技術を導入した。燃焼空気比1.27での運転では,排ガスCO濃度は2.4 ppm,NOx濃度は約20~25 ppmと,最新の新設焼却炉と同等以上の低空気比・低CO・低NOx運転が可能であることが示された。本稿では,この事例を通じて流動床焼却技術の性能及び特長について技術的な側面から解説するとともに,それらを生かした今後の流動床焼却施設のポテンシャルについての展望を述べる。

高効率ガス回収型汚泥消化装置の開発
−セミドライメタンⓇ発酵装置−

 下水汚泥は高いエネルギーポテンシャルを有し,下水道を通して処理場に集約される継続利用可能なバイオマスである。しかしながら,国内では,その利用のための設備費用が制約になり,有効利用率は低い水準にとどまっている。未利用のバイオマスエネルギーの活用を目的として我々は低コストかつ高効率な汚泥消化装置,セミドライメタン®発酵装置を開発した。セミドライメタン®発酵装置では,投入汚泥濃度を従来より大幅に高濃度化することに加え,効率的なガス回収を行うために消化日数を短縮した。これらの改善によって従来法と比較して消化タンク容量を最大1/8の小型化と有効利用可能なガス量の増大を実現した。実証実験結果と併せて,本装置について紹介する。

腐食防食講座−高温腐食の基礎と対策技術−」
第3報:廃棄物発電ボイラにおける高温腐食と対策

 焼却炉の特徴として,燃料として用いられる廃棄物中に高濃度で塩素が含まれることが挙げられる。この塩素がアルカリ金属などと反応することによって塩化物を形成し,ボイラ伝熱管などに付着灰として析出する。付着灰が溶融することによって,腐食環境は著しく悪化する。また付着灰を除去するために用いるスートブローは,腐食スケールの破壊を促進し,伝熱管の減肉を加速させる。灰の付着挙動は温度に依存し,排ガス高温部には塩化物が濃縮し腐食環境の悪化を招くため,伝熱管の腐食を抑制するためには付着挙動を把握し腐食環境が適切になる設計を行うことが求められる。この付着灰の影響を中心にした減肉挙動を説明し,実機での減肉事例及び防食対策について解説した。

新潟県新潟市「亀田清掃センター」基幹改良工事

 新潟市「亀田清掃センター」の基幹改良工事を行い,2016年3月に竣工した。通常のごみ処理業務の継続,1炉当たり4箇月の短工期という制約の中,安全な車両動線の確保,綿密な工事計画によって工事を完了させた。各炉の工事終了ごとに実施した性能試験では,全ての基準値を満足しつつ,空気比1.3の低空気比,低NOx,低COでの安定した運転を実現できることを確認した。また,基幹改良工事前と比較し,設備から排出されるCO2を46.3 %削減した。

小山広域保健衛生組合向け エネルギー回収推進施設
「中央清掃センター70 t炉」の建設

 小山広域保健衛生組合にエネルギー回収推進施設「中央清掃センター70 t炉」を納入し,2016年9月末に竣工した。エネルギー回収推進施設では,当社最新式のエバラHPCC21型ストーカ式焼却システムを採用して1.3以下の低空気比で運転し,かつ,ボイラの蒸気で最大1300 kWの発電をし,既設施設への送電及び余剰電力の売電を行っている。既存施設を運用しながら,狭隘な敷地の中で本施設を建設したことが大きな特長である。