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エバラ時報 No.256

ひらめき考

縁の下の力持ち 標準ポンプ-暮らしを支えるポンプ-

 私たちは,生活の中で当たり前のように水を使用していますが,水を利用するためにはポンプの力が必要です。例えば,浄水場で作られた上水は,配水ポンプにより私たちの所まで届けられます。また,オフィスビルやマンションでは,増圧ポンプや排水ポンプが使われています。ここでは,皆さんが普段気付かない身近なところで働いているポンプを紹介します。

技術ブランドの制定 技術ブランドeDYNAMiQの制定

 当社の標準ポンプ事業が長年の歴史の中で培ってきた技術に込める想いを分かりやすく伝えるため,2018年に技術ブランド『eDYNAMiQ』を制定しました。『eDYNAMiQ』は,「高効率技術」や「最適化制御技術」に代表される標準ポンプにおける当社の卓越した技術を象徴する技術ブランドです。『eDYNAMiQ』は,あらゆる用途とシーンに「最適“快”」をお届けし,より良い世界の実現に貢献いたします。

NFC通信機能付き 新型増圧給水ポンプユニット

 2017年8月より販売を開始したNFC通信機能搭載の新型増圧給水ポンプユニットを紹介する。NFC通信機能の搭載によって,スマホと専用アプリを使うことで,給水ポンプユニットの運転状態をスマホ画面に表示することができる。さらに,取得したデータの送信ができるため,情報共有ツールとしても活用可能である。また,本機能の搭載に合わせ,デザイン性や作業性の向上を図り,キャビネットデザインを一新している。そして,近年増加している直列多段型には低層階用ユニットと高層階用ユニットを通信線でつなぎ,連携運転を行う信頼性の高い方式を継続採用している。また,停電からの復帰始動時に給水管や接続機器を保護する復電時昇圧速度抑制機能を搭載している。なお,NFC 通信機能と復電時昇圧速度抑制機能は当社のインバータ付給水ポンプユニット全てに標準搭載している。

半導体製造向け 超小型キャンドモータポンプSSPD型

 超小型キャンドモータポンプSSPD 型は2013 年に開発・市場投入した製品で,近年になってその「超小型」「低熱容量」という特徴から,半導体製造用途として注目を浴び,出荷台数が大きく伸びている。本製品はディスク型扁平PM モータの搭載,キャン材料として特殊耐熱樹脂の使用,羽根車/ロータ一体構造とすることで主軸を取り除いた特殊構造にするなどの多くの特徴を備えている。当社の標準ポンプ事業が有する数々の技術を融合した製品として,キャンドモータポンプSSPD型を紹介する。

グローバル市場向け両吸込み渦巻ポンプCB型

 グローバル市場向け基幹製品として,両吸込み渦巻ポンプCB 型を発売した。両吸込み渦巻ポンプは,上水道,一般給水・送水,冷温水循環,建築設備,一般工業,発電所,石油・ガスプラントなど幅広い業界で使用されている。本製品は,実験計画法と感度解析によって開発した新型高効率流路を採用することで,中国国家標準規格の省エネ評価値η3を達成した。さらに,ケーシング及び回転体部品の最適設計によって,軽量化を達成した。

活性汚泥モデルによる硝化内生脱窒法の最適運転方法の検討
~アンモニア計を用いた空気量制御運転~

 下水に含まれる栄養塩除去を目的とした高度下水処理施設では,微生物による硝化・脱窒反応を用いた窒素除去方法が採用されている。近年,空気量制御には従来の溶存酸素計に加えて,アンモニア計を利用する事例が増えている。本報告ではアンモニア計による空気量制御を行っている嫌気- 硝化内生脱窒法を適用した実施設データを基に,活性汚泥モデルを用いたシミュレーションを用いて最適条件の検討を行い,硝化内生脱窒法におけるアンモニア計による空気量制御の特徴を明らかにした。

「腐食防食講座-高温腐食の基礎と対策技術-」
第6報:高温機器における浸炭,窒化及び水蒸気酸化事例と対策

 本報では,環境・エネルギー関連装置で見られる浸炭,窒化及び水蒸気酸化の事例と対策について紹介した。浸炭は炭化水素や一酸化炭素を含む環境で見られ,合金中のクロムと炭化物を形成することで合金の耐食性を低下させる。窒化はアンモニアを含んだ環境で生じ,腐食による減肉よりも,材料を脆化させて機械的特性が損なわれることが問題となる。水蒸気酸化は,水素の共存によって,大気中での酸化と比較して酸化速度が著しく大きくなるのが特徴である。いずれも,表面に保護性の高い酸化物皮膜を形成するための合金選定/合金設計が,腐食を低減する上で重要である。

新型吸収冷温水機RHD型

 新型吸収冷温水機RHD 型を開発し販売を開始した。当社の吸収冷温水機として9 年ぶりの新製品となる。本機は,液管高温再生器,新型プレート熱交換器,溶液循環量の最適制御を採用し,COPc1.37(省エネ率40 %)を達成するとともに,冷水・冷却水変流量制御,省エネ運転モード,始動時間短縮制御などの機能を標準搭載し,熱源システム全体の省エネルギー化も図れる製品となっている。
 また,従来どおりの冷水・冷却水仕様である標準型に加え,冷却水流量を標準型の70 % とし冷却水ポンプの動力を大幅に削減した節電型,コジェネレーションのエンジン廃熱などを投入して燃料消費量を削減するジェネリンク型の3 仕様の製品をラインナップしている。

北秋田市向けごみ処理施設の納入

 秋田県北秋田市向けごみ焼却施設を2018 年3 月末に納入した。既設の北秋田市クリーンリサイクルセンターの建て替え工事で,施設規模50 t/16 h の都市ごみと汚泥を混焼する施設であり,焼却炉には,流動床焼却炉SDP 型を採用した。低空気比で高温燃焼を安定して継続し,低COと低NOxを実現できる環境負荷の低い施設となっている。また,ごみ焼却に伴って発生する熱エネルギーを回収して場内の給湯や暖房に利用するなど,衛生的,安定的かつ経済的なごみの焼却処理が期待される。