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Project 3 世界に挑む

成長著しいインドネシア。
このグローバルマーケットで
新たなビジネスモデルを構築する

荏原製作所のルーツであり中核であるポンプ事業。このビジネスで現在大きなテーマとなっているのが、グローバル市場におけるサービス&サポート事業の強化である。「アフター営業」とも呼ばれるこのビジネスには、部品、保守修理、改造や機器更新など数多くのニーズが潜在している。またそれは、次のビジネスチャンスを掘り起こしていくためにも欠かせない取り組みなのだ。

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E.M/風水力機械カンパニー
企画管理技術統括部/2012年入社

営業・管理部門コース
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Phase1未熟さを思い知らされ、
悔しさばかりが残った

荏原製作所のグローバル展開における有数のマーケット、インドネシア。成長著しいこの国で、サービス&サポート事業の強化に向けて基盤づくりが始まったのは数年前のこと。

これまでポンプ事業では、サービス&サポートについて自社グループの工場による対応を基本としていた。ところが、新興国などではそれがすべて可能というわけにはいかない。そこで現地業者と提携して認定工場を展開する戦略を新たに着手した。その初となる試みがインドネシアであり、2009年に認定工場を立ち上げ、それらをベースに少しずつビジネスが動き始めていった。

「世界に飛び出して社会インフラを支える仕事がしたい」。そんな想いとともに、Eが入社したのは2012年。海外でのサービス&サポート事業を推進するGS営業室に配属されると、インドネシア、ベトナム、ブラジルの3ヵ国を担当することになった。

そして2013年3月、初めてインドネシアに降り立つ。上司とE、エンジニアの3人でチームを組み、約10日間かけて現地のお客様を訪問する。配属以来ずっと上司のもとで業務の基本知識を学んできたEにとって、満を持した初の海外出張だ。

「エバラのポンプはとてもタフだ、信頼している」。そんな会話から始まった訪問先での打ち合わせは次第に熱を帯び、専門的な技術用語が頻繁に飛び交うようになった。英語にはそれなりの自信があったが、さすがに専門的なやりとりは把握できず、いつしか黙り込むことが多くなった。

数社を訪問したのだが、結局はどこでも同じような状況。未熟さを思い知らされ、悔しさばかりが残る初出張だった。「よし、次までに必ず独り立ちしてやろう……」

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Phase2未開のジャングルのその先で
出会ったものとは?

「ほんとうにこの先に町があるのか……」

まわりはTVのドキュメンタリー番組で見るような鬱蒼としたジャングルだ。その森林を縫うように未舗装の凸凹道がどこまでも続いていた。カリマンタン島の飛行場に降り立ち、チャーターした四輪駆動車に乗り込んで数時間。目的地となる町はまだまだ先のようだ。

インドネシアへの2回目の出張は、2013年9月。今回上司は同行せず、Eとエンジニアの2人のチーム。営業担当として、いよいよ正念場だ。

今回の出張では、サービス&サポートの需要を掘り起こすために1ヵ月にわたって滞在し、十数社のお客様を訪問した。最初の頃、たどたどしかった訪問先での応対も、何社か経験を重ね、同行したベテランのエンジニアからのアドバイスを受けるうちに、少しずつこなれたものになってきた。提携工場に足を運び、現地の担当者とface to faceでじっくり打ち合わせができたのも成果だった。

インドネシアでのお客様は石油や天然ガスなどエネルギー関連プラントが多い。それらは生産地に近い僻地に立地している。やっとの思いでたどり着いたカリマンタン島の天然ガス関連プラントもそのひとつで、未開のジャングルの先に近代的なプラントが現れたときは目を見張った。そんな過酷な土地で、荏原製作所のポンプは動き続けている。もしも故障すればプラントそのものの機能が麻痺してしまう可能性もあるだろう。そうなればインドネシアの国や社会にとって大きな打撃であり、エネルギー供給を通じて日本にも影響が及ぶかもしれない。

「これはへこたれるわけにいかないな」。Eはサービス&サポートという業務に確かな手応えを得るとともに、身震いするような責任の重さを実感した。

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Phase3新しいビジネスモデルを構築し、
グローバルに

こんな経験を経て、Eは3ヵ月に1回ほどのペースで海外出張を重ね、サービス&サポートのビジネスに取り組んでいった。インドネシアばかりでなく、ベトナム、ブラジルにも出向き、アマゾンの僻地にまでも足を運んだ。

2013年11月のインドネシア出張では小気味よい手応えを得ることができた。

長期にわたって仕掛けていた大型案件を受注することができたのだ。それは大型カスタムポンプの主要部品の更新。幾度かの訪問で得た情報を分析して、自分なりに戦略を立てて提案を実施した。それがぴたりと的中し、年が明けた2015年1月早々、受注決定の知らせが飛び込んできた。

このインドネシア出張では、もうひとつ楽しい出来事があった。同じように何回かにわたって訪問を重ねてきた客先で、役職の高いマネージャーと打ち合わせをしていたときのこと。彼が無意識のうちに会話に自分の名前を交えていることに気がついた。「会社ではなく、ひとりの人間として信頼されるようなってこそ一人前だ」。新人の頃から、ずっと上司からこのように励まされてきた。やっとこの国で自分なりの信頼関係が築かれつつあることを実感した。

最近、サービス&サポートというビジネス、そしてインドネシアというフィールドへの思い入れがいっそう強くなった。これからの目標について、次のように語る。

「近いうちにインドネシアに駐在したいと思っています。いま私が挑んでいるビジネスモデルを、現地の人たちと一緒に完成させてみたいのです」

現地の認定工場の連携などこのビジネスモデルが確立されれば、今後は各国へと横展開されることになるだろう。それとともに、Eが挑むフィールドも、インドネシアから世界へと大きく広がっていく。