2020年10月13日
揚水機場 場内(左:大網揚水機場、右:長柄揚水機場)
千葉県の九十九里地域や南房総地域では、人口の増加や都市化が進んだこと、京葉臨海工業地帯に工場が多いことから、水道水や工業用水の安定的な供給が求められています。十分な水源が少ない房総半島では、全長約100㎞にもおよぶ房総導水路が作られ、水源となる利根川から必要な場所に水が運ばれています。房総導水路の各所に設けられている揚水機場は、ダムや浄水場に水を送る役割を担い、地域の生活や産業を支えています。
荏原は、それぞれの目的に合わせて水を送るポンプ設備などの提案、設計、調達、機械設備工事、並びにアフターサービスの総合エンジニアリングによって、広範囲にわたり上下水道が抱える課題を解決しています。
今回工事を行った大網・長柄の2つの揚水機場では、老朽化したポンプ設備のシステム設計・製作・据付を含む改修が行われました。大網揚水機場から組み上げられる水は約70m上げられ長柄ダムに、長柄揚水機場から送られる水は約30㎞先の大多喜浄水場に届けられ、生活用水や工業用水として地域で使われています。
工事諸元 (概要) |
大網揚水機場 | ・横軸両吸込単段渦巻ポンプ Φ1200mm×260m3/min×74m(改造) ・かご形三相誘導電動機(更新) ・速度制御装置(高圧インバータ盤)(新設) ・監視操作制御設備(更新) |
2台 2台 2台 |
長柄揚水機場 | ・横軸両吸込単段渦巻ポンプ Φ300mm×15m3/min×84m(改造) ・かご形三相誘導電動機(更新) ・速度制御装置(高圧インバータ盤)(新設) ・監視操作制御設備(更新) |
3台 3台 3台 |
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受注金額 | ¥2,970,000,000.-(税抜) | ||
契約工期 | 2016年3月8日~2020年8月31日 | ||
所在地 | 大網揚水機場:千葉県大網白里市池田地内 長柄揚水機場:千葉県市原市古都辺地内 |
荏原が掲げる長期ビジョン「E-Vision2030」では、「地球にやさしい社会、安全・安心に過ごせる社会インフラ、水や食べるものに困らない世界」を支え、「持続可能な社会づくりへの貢献」を目指しています。荏原の社会システム事業では排水能力を向上させたポンプの開発や、メンテナンスが容易な設備やサービスの提供を通じて、社会インフラの強靭化を支えてまいります。
荏原グループは、長期ビジョンと中期経営計画に基づいてESG重要課題に取り組むことで、持続可能な開発目標(SDGs)の達成を目指し、企業価値のさらなる向上を図っていきます。
※1:房総導水路とは