遠藤 英和*
金田 一宏**
*
知的財産統括部
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風水力機械カンパニー 標準ポンプ事業部
当社の標準ポンプ事業が長年の歴史の中で培ってきた技術に込める想いを分かりやすく伝えるため,2018年に技術ブランド『eDYNAMiQ』を制定しました。『eDYNAMiQ』は,「高効率技術」や「最適化制御技術」に代表される標準ポンプにおける当社の卓越した技術を象徴する技術ブランドです。『eDYNAMiQ』は,あらゆる用途とシーンに「最適“快”」をお届けし,より良い世界の実現に貢献いたします。
技術ブランドとは,製品・サービスの機能・性能,又は開発思想などを分かりやすく可視化したもので,世の中には様々な技術ブランドが存在しています。
古いところでは映画館や各種映像・音楽向けの音響技術ブランドであるドルビー※1,新しいところでは空気清浄化技術ブランドのプラズマクラスター※2など,皆さんも思い当たる技術ブランドがあるのではないでしょうか。
この度,当社製品の中でも特に幅広い層のお客様にご利用いただいている標準ポンプの技術をブランド化することにより,当社が技術に込める想い(=当社がお客様にお届けしたい価値)をお客様に分かりやすくお伝えしたいと考え,標準ポンプの技術ブランド導入プロジェクトを立ち上げました。
※1 ドルビーはドルビーラボラトリーズの商標です。
※2 プラズマクラスターはシャープ㈱の商標です。
標準ポンプの技術ブランドを導入するに当たり,当社標準ポンプのブランドイメージ,技術への評価,期待されていること等について社外リサーチを行いました。
社外リサーチでは,標準ポンプの技術ブランドをグローバルで通用するブランドにするために,国内代理店へのヒアリングに加え,海外代理店へのアンケートも実施しました。
その結果,当社標準ポンプのブランドイメージは「信頼」であり,技術面では「耐久性」と「高効率」が高く評価されており,期待されていることは「革新性,品質イメージの強化」,「耐久性と高効率の訴求と最適化制御技術などの強化」であることが分かりました。
これらのリサーチ結果と我々の想いをベースにブランドコンセプト(図4,後述します)を構築し,様々なブランド候補案を作成して社内でディスカッションを繰り返しました。その中から「高効率技術」と「最適化制御技術」にフォーカスして候補案を絞り込み,候補案のアレンジ,商標調査,最終候補案の選定と進めていきました。
そして,2018年1月に当社の標準ポンプ技術を象徴する技術ブランドeDYNAMiQを制定しました。eDYNAMiQは,Eco(Ecology),Dynamic and Integrated Qualityの略であり,当社の標準ポンプ技術の特徴を組み合わせた造語です。
ブランドロゴにもこだわりました(図1)。グローバルブランドにするため,外国籍社員の意見も参考にして,フォントの線幅やバランスを調整して仕上げました。特に「i」の文字は,縦棒を若干短く,点を若干大きく調整することで見た目のアクセントにしています(お分かりいただけるでしょうか?)。
技術ブランドeDYNAMiQは,国内では展示会を中心に様々な形で展開していきます(図2)。海外においてはグローバル市場向け製品のプロモーションを中心に展開していきます。図3は,技術や製品の原点が日本であることをグローバルに発信するためのプロモーション資料の一例です。羽根車などのポンプを想起させる柄を施した日本の伝統的な和傘と,ブランドロゴを取り入れています。
図1 eDYNAMiQブランドロゴ
図2 展示会の様子
図3 グローバル市場向けプロモーション資料
技術ブランドeDYNAMiQに込める想いを,3層から成るブランドコンセプト(以下,BC)に表しました(図4)。
BCは,まずeDYNAMiQのミッション,つまり最終的なゴールは「人と地球のうるおいを守る。」(BC第1層)ことを示しています。そして,このミッションを実現するために「圧倒的な高効率技術で,あらゆる用途とシーンに『最適“快”※3』を届ける。」(BC第2層)ことを,お客様に約束する提供価値としています。さらに,この圧倒的な高効率技術は,「流体力学とメカトロニクス分野における当社の様々な技術を高次元で融合」(BC第3層)するという当社しか成し得ない技術から成り立っていることを示しています。
当社の標準ポンプ事業は長年の歴史で培ったポンプの高効率化技術だけでなく,PMキャンドモータに代表される小型化技術,センサやコントローラによる最適化制御技術など,高度で多様な独自技術を保有しています。これらの融合から創出される技術をeDYNAMiQと定め,製品やサービスを通じてお客様のあらゆる用途とシーンに,次々と「最適“快”」をお届けしてまいります。どうぞご期待ください。
図4 eDYNAMiQブランドコンセプト
※3 「最適“快”」とは,最適解と快適を掛け合わせた造語です。英語では「Stunning Solutions」と表現しています(図4)。
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