半導体デバイスの高集積化※には、半導体ウェーハ上の配線回路の微細化と多層化が不可欠ですが、これを支えているのが半導体ウェーハ表面の微細な凹凸を平坦化するCMP装置です。
半導体デバイスは、専用装置によって絶縁材料や導電性材料等の薄膜をウェーハ上に形成し、それを微細な回路に加工することで実現しますが、その際回路の表面は凸凹になってしまいます。CMP装置はそれを高低差10~20nmの平坦な表面に加工します。
これは、山手線の内側(平均直径約10km)の凹凸を0.5㎜に平坦化することに相当します。このような高精度な平坦化によって、微細な回路を10層以上に積層することができ、半導体デバイスの高集積化が実現されています。
CMP装置は、樹脂製シートを貼り付けた回転テーブル上に、微細な砥粒と薬液の入った研磨液を流しながら自転するウェーハを押し付けて研磨します。
荏原は、研磨後のウェーハを半導体のクリーンな製造環境に適合させるため、CMP装置内で研磨・洗浄・乾燥処理を行うドライイン・ドライアウトという方法を開発し、CMP装置をクリーンルーム内に設置することを可能にしたパイオニアです。
※高集積化:限られた面積の半導体デバイスの中に、多くのトランジスタや記憶素子を形成して、コンパクト化と高性能化を両立すること