環境プラント事業では、ごみを燃やす焼却施設の建設や運営を中心とした地域サービスを展開しています。
そこで活躍しているシミュレーション技術について紹介します。
焼却炉では高温でごみを完全燃焼させることで、環境への有害物質の排出を抑えるとともに、発生した焼却熱で蒸気を発生させ、発電などで利用しています。
ごみの質や形状が変わっても安定に焼却できる焼却炉を開発するために、荏原では流体シミュレーションや燃焼シミュレーションをこれまでも活用してきましたが、近年のコンピュータ性能の大幅な向上により、粒子シミュレーションなどの新たなシミュレーション技術を活用することが可能となってきました。
ストーカ式焼却炉では、火格子の上をごみが徐々に後段に移動していき、水分を蒸発させる乾燥、勢いよく燃える燃焼、最後まで燃やしきる後燃焼の3段階でごみを完全燃焼させます。
現在、この火格子の上を移動するごみの様子を、粒子シミュレーション技術によって再現する研究を行っています。
大小さまざまな形状のごみを、効率的に燃やすための火格子の形状や、動かし方について、実際の火格子を製作せずに検討することができます。
砂が入った焼却炉の下から空気を吹き込むと、砂は沸騰したお湯のように踊りだします。
流動床式焼却炉では、この状態の砂を熱し、その中にごみを投入して燃焼させます。
この複雑な砂の動きは、最近のコンピュータの性能向上によって、粒子シミュレーションで再現することが可能になってきました。
また、流動床式焼却炉において安定な燃焼の鍵となる、ごみの供給装置の最適化検討を行うこともできます。
長期にわたって安定・安全・安心に施設を運営していくために、荏原では最新のシミュレーション技術を活用することにより、高効率かつ高性能のプラントを開発していきます。