当社はこれまで、日本の社会インフラや産業インフラの発展とともに成長してきましたが、世界を見回してみると、新興国を中心に進む人口の増加や、経済発展に伴う生活水準の向上などで、水需要やエネルギー需要、廃棄物処理需要、情報インフラ整備の需要は確実に成長が見込まれます。
当社は、こういった拡大する市場において、各事業がグローバルに事業を展開しており、それぞれの分野の課題を的確に捉え、世界の人々の豊かな生活に貢献する製品やサービスを提供していくことでさらに事業規模を拡大させていくことが可能であると考えております。
新規事業に関する取組み
荏原グループでは、水産資源の世界的な需要増加と、養殖ビジネスの拡大に伴う従来型の海面養殖による水域汚染が問題化している現状に着目し、陸上養殖事業推進プロジェクトを立ち上げました。
当社は、リージョナルフィッシュ株式会社(以下、RF社)の第三者割当増資を引き受け、RF社との資本業務提携を締結しました。 荏原が創業以来培ってきた流体・熱制御などの技術を応用し、地球環境に負担が少なく、病原体などの侵入の恐れがない安全・安心で、安定した品質と量が供給可能な養殖システムの実現を目指します。それにより、陸上養殖の産業化と海の保護に貢献できるよう、事業を進めていきます。
当社は2020年1月にSpiber株式会社(以下、Spiber社)に総額10億円の出資をし、「脱石油」を支えるバイオ技術の共同開発を行っています。Spiber社は主原料を石油などの枯渇資源に依存しない、持続可能な次世代の基幹材料として期待される構造タンパク質を開発・製造しています。
脱石油に貢献するためには、構造タンパク質によって様々な素材を生み出すバイオテクノロジーを世界に普及させていく必要がありますが、製造過程におけるコストの高さが実用化における大きな障壁となっているため、まずはそれを解決することを喫緊の課題として取り組んでいます。一方で、Spiber社とともに構造タンパク質の培養に関する知見を高めていくことで、今まで当社が踏み込んだことのない分野であるバイオテクノロジー業界でもビジネスの種が芽生えています。新たな知見とこれまで培った知見を活かし、新領域においても製造プロセスの革新やソリューションの提案を行っていきたいと考えています。
荏原グループが今後も「技術で、熱く、世界を支える」ために必要な技術の開発や蓄積、並びにこれに資する人材の育成を積極的に継続します。その根幹として、DXを駆使し、業界をリードする効率性の高い経営・事業遂行を実践します。データとデジタル技術を駆使し、製品やサービス、ビジネスモデルをグローバルに変革し、それを支えるERP(企業資源計画)の全社的導入等により業務インフラを整備するとともに最適化された業務フローや業務ルールを構築します。
3Dデジタル化により、「ものづくり・ことづくり」を変革する
グローバル一体運営のための情報基盤を構築する