製品を構成する材料には金属、プラスチック、セラミックスなど様々な種類があります。
これらの材料を製品が使用される環境によって適切に選定することは、材料に大きな損傷(破壊、腐食、摩耗など)が発生することを防ぎ、信頼性の高い製品を供給し続けるために非常に重要です。
製品が長期間、問題を起こさず安定して稼働するために、実験、数値解析などを使って使用する材料を適切に評価、選定するとともに、必要であればより高機能な新しい材料を開発しています。
ポンプ用すべり軸受
ポンプのすべり軸受は回転体を支える重要な部品です。
水などの低粘度液を潤滑液として使用するすべり軸受の場合、あるいは短時間無潤滑状態になるすべり軸受の場合、回転側材料、固定側材料の固体接触が発生する厳しい環境となるため、適切な材料選定、材料開発を行わなければ異常摩耗などのトラブルが発生します。
無潤滑でも安定して運転できるように、耐熱性プラスチックに摩擦係数が低くなる添加剤を加えた材料を開発したり、腐食性の強い環境でも腐食しにくいように材料の成分を最適化した材料を開発し製品に適用しています。
段付き付け根部にき裂を設定
き裂周辺のFEM解析結果
構造物の形状によっては、部分的に大きな応力がかかり破損のリスクが高まるため、応力を適切に評価し最適な形状を設計することが必要です。
例えば、ポンプなどの流体機械では、軸の段付き部の面に対して軸方向荷重を受ける構造が多く、適切に設計しないと付け根部においてき裂が発生するリスクが高まります。そのため、軸の段付き部の強度評価が必要となります。
最新のFEM※1解析技術を用いて、軸径、段差、付け根部半径、き裂深さに対する応力集中係数、応力拡大係数※2の関係式を導出し軸設計に活用しています。
※1 FEM:有限要素法(数値解析方法の一つ)
※2 応力集中係数、応力拡大係数:応力に関係する評価パラメータ