水溶液中の銅配線形状像
表面近傍の電位像
A-B位置の電位分布
引用;K. Hirata and T. Fukuma, et al., Nanoscale, 2018, 10, 14736-14746
表面分析技術は、液体と固体の界面で起こる現象を解明して制御するために欠かすことができない技術です。ポンプやCMP装置やめっき装置は、いずれも流体液と接する固体表面部分で構成されており、低抵抗や低腐食や低付着が求められています。特に、液体と固体の接する界面における局所電位変化は、液体成分の析出や溶解に影響するため、適正な制御が望まれます。
CMP装置では、加工や洗浄のプロセスにおいて銅配線材料やバリア材が界面に出現して流体薬液にさらされることにより、局所的な電気化学反応が発生します。
ウェーハ表面近傍のパターン配線において局所の液中表面電位の分布をリアルタイムで計測することに成功したことより、局所的な電気化学反応である溶解や析出の現象予測が可能となりました。
金沢大学福間研究室で開発したオープンループ電位顕微鏡(OL-EPM)技術は、連続的に成分が変化する流体下の配線部の表面形状と表面電位分布を同時にリアルタイム計測することが可能で、配線部やバリア層で発生する溶解挙動や酸化剤や保護膜形成剤による防食挙動を可視化することにより、現象の理解が容易になりました。
さらに、界面近傍液中の3次元の電位分布像の取得することにより、CMPや洗浄の現象の理解をより深めることを目指しています。